シニョリーア広場は政治の中心地であり市民の集まる憩いの場。ずらりと並ぶカフェやレストランのテラス席に座って、7 世紀以上前から変わらない、群衆が行きかう光景を眺めながらのんびり過ごせるエリアです。L 字型をした広場で、フィレンツェで最も有名な建築物が並び、その前では華やかな芸を披露する大道芸人や歩き回る観光客、足早に過ぎ去る地元の人の姿が見られます。
中でも目を引くのが、1302 年に建てられたヴェッキオ宮殿。今私たちが知るように、シニョリーア広場がフィレンツェの生活の中心として愛されるようになったのは、この宮殿のおかげです。今もフィレンツェの主要な市庁舎として使用されています。扉の前にはミケランジェロのダビデ像のレプリカが立ち、ダビデが厳しい目を向ける前で住民投票や反乱、処刑が行われて来ました。本物のダビデ像は、1873 年にアカデミア美術館に移されました。
ランツィの回廊の 3 つの幅広いアーチの下には彫刻が並び、まるで野外美術館のよう。その多くがレプリカですが、本物に負けないほど精巧に作られているので、ぜひじっくりと観賞してください。本物は複数の美術館に移されました。目を奪われるのが、彫刻家のチェッリーニ作のペルセウス。見上げるような大きさの銅像で、メドゥーサの首を掲げたペルセウスは、メディチ家に逆らってみろと人々を威嚇しているよう。2 頭の大理石の獅子も、メディチ家がかつて手にしていた権力をさらに強く誇示しています。
歩き疲れたら、アンマナーティが手掛けたネプチューンの噴水のほとりで一休みしましょう。この噴水は、フィレンツェの海運史上に残る偉業を祝うために造られました。足元には、1498 年にこの広場で処刑された厳格な修道士、サヴォナローラを称えた銅版が埋め込まれています。
ウフィツィ美術館も外せない名所です。ボッティチェリやダ・ビンチをはじめとする巨匠の作品を一目見ようと、観光客の列は途絶えることを知りません。その他にも、ウッグチョーニ宮やブォナグイーズィ邸など数多くの豪邸が並び、シニョリーア広場により風格を添えています。
シニョリーア広場は、いつ訪れてもにぎやかで明るい空気に包まれた場所。24 時間いつでも入ることができます。