マデイラ島に数ある庭園の中でも、屈指の美しさを誇るパリェイロ庭園。特にツバキのコレクションが人気です。なかには樹齢 200 年を超える古木も。在来種と外来種の植物がアイデアあふれるデザインで配置され、ツバキがちりばめられています。ツバキは、はるか遠くの日本やオーストラリアが原産地です。
庭園は所有者にちなんでブランディの庭とも呼ばれています。もとはカルヴァハル伯が所有し、ツバキを植えたのが始まりとされる庭。当時のツバキは今も数本が残っています。ブランディ一家は、マデイラ島でもっとも裕福なワイン業者。19 世紀後半、この地を買い上げた一家が土地を耕し、長い年月をかけて数百種類もの植物を新たに植えました。
歩道を進むと、複雑に入り組んだ装飾庭園に目を奪われます。伝統的なイングリッシュ ガーデンのスタイルながら、植えられた樹木は世界各地の原産種。ドラゴン ツリー、アフリカのプロテア、ユーカリなど、さまざまな植物が庭を彩ります。
庭園内は植物の種類で区分けされています。茶室エリアにあるブラジルのパラナマツ、ニュージーランド クリスマスツリーは必見。クリスティーナ ブランディが増設した、色とりどりのバラ園もお見逃しなく。
ほかにも貴婦人の庭園、洗礼者ヨハネをまつったバロック様式の教会など、多くの見どころがあります。フンシャル湾を一望するすばらしい景色を見るなら、バランコ ド バヴィオ (野生の峡谷) へ。庭園の池にはスイレンが優美に浮かび、池を泳ぐカエル、周囲を舞う蝶や小鳥を眺めてのんびり過ごせます。
ツバキの見頃は 11 月から 4 月。1 万種を超えるツバキの多くは、入り口近くの通路に沿って植えられています。
パリェイロ庭園は、クリスマスとお正月を除き、一年中開園しています。フンシャルの東に位置し、バスで行くことができます。車でも市街地からわずか 15 分です。