オランジュは小ぢんまりとした静かな町で、半円形の古代ローマ劇場が有名です。これは、世界的にも最も保存状態の優れた古代ローマ建築のひとつに挙げられています。その他にも遺跡や見ごたえのある博物館など、古代ローマ史に触れることができるオランジュ。この地域のワイン文化も忘れてはならない魅力のひとつです。
オランジュの町の起こりは、紀元前 35 年にさかのぼります。中世までは別の名前で呼ばれていましたが、ネーデルラントの貴族であったオラニエ (オランジュ) ナッサウ家の公国となり、現在の名称が使われるようになりました。
オランジュのローマ劇場は、ユネスコの世界遺産に登録されている名所で、世界各地の同種の遺跡に比べて保存状態が優れていることからも価値の高いものです。夏季に訪れるなら、オランジュ音楽祭のチケットを前もって確保しておきましょう。音楽祭の期間中は、古代ローマ劇場でさまざまな質の高いパフォーマンスが上演されます。
劇場の正面側から少し歩くと、美術歴史館があります。この豪華な博物館では、古代ローマの出土品から、アルベール ド ベルロッシュやフランク ブラングィンなどの 20 世紀絵画まで、数々の芸術品が展示されています。
劇場の北には、町のもうひとつの古代ローマ遺跡、凱旋門がそびえています。2009 年の修復プロジェクトを経て、この荘厳な凱旋門はかつての栄光の姿を取り戻しました。精巧な彫刻は素晴らしい保存状態で、興味深い古代ローマの歴史を物語っています。
街歩きをしながら、ゴシック様式のファサードが印象的なサン フロラン教会やナザレ聖母大聖堂、絵のように美しいプロテスタント教会などの教会建築を見学しましょう。有名な昆虫学者ジャン アンリ ファーブルのファーブル記念館も忘れずに訪れてください。通りの向かいには、ナトゥロプテール博物館があり、ファーブルの遺した自然科学に関する展示品が公開されています。
オランジュの南には、濃厚な赤ワインで有名なワイナリーが点在するシャトーヌフ デュ パプが広がり、日帰り旅行に最適です。
オランジュは、アヴィニヨンの北部に位置しています。州営鉄道とバスで行き来できます。車なら、アヴィニヨンから 30 分ほどで到着します。長い歴史と近代的な文化、ブドウ栽培に代表される、さまざまな魅力が融合した町です。