ドイツ映画博物館 (ドイチェス フィルムムゼウム) では、過去から現在に至るまでの映画制作について紹介しています。映画産業が産声を上げ、進化、発展を遂げてきた歴史について知ることができます。演技、映像、音響、映画編集の変遷も分かります。ここでは、世界中の古典映画と現代映画が上映されます。ドイツ映画博物館は、映画俳優、監督、歴史家、協会のコレクションと寄贈をもとに 1983 年に開館しました。
「フィルミックビジョン」のコーナーでは、映画前史ともいうべき 16 ~ 19 世紀の装置が展示されています。万華鏡や、拡大鏡を使ったのぞきからくりが生み出す目の錯覚に驚かされます。フリップブック (パラパラ漫画) や幻灯機のしかけも興味深い展示です。ジョルジュ メリエスとリュミエール兄弟による映画黎明期の作品の一部や、日本人曲芸師の格好をしたパフォーマーによる珍しい無声映画などを視聴できます。
「フィルミック ナラティブ」のコーナーでは、人が映画を見ているとき、どういったものに影響されて内容を理解しているのかについて知ることができます。たとえば、役者の演技、光と音を使った特殊効果などが見る者に訴えかけます。モニターでショットを並べ替えて、映画シーンを編集してみることもできます。無声映画と現代のハリウッド作品が 4 つのスクリーンに映し出されており、その違いがよく分かります。
企画展では、アニメ、コメディーアニメ、フィルムノワール、オスカーなど、あらゆるものが対象です。ライナー ヴェルナー ファスビンダーやスタンリー キューブリックなどの有名映画監督についても紹介されています。館内シアターで、アルゼンチン、ボリウッド、イタリア、米国の映画を上演しています。
博物館は、マイン川南岸の博物館や美術館が集まるムゼウムスウーファー (ミュージアムの岸) エリアにあります。U バーンのシュヴァイツァー プラッツ駅から徒歩で約 5 分。トラム停留所もたくさんあります。近くには、ドイツ建築博物館、世界文化博物館、シュテーデル美術館などがあります。
ドイツ映画博物館は月曜日休館。常設展と企画展は別料金です。日曜日は、常設展の無料ガイドツアーが行われます。ムゼウムスウーファー チケットを購入すると、この博物館を含め、30 館以上に入場できます。