実はパリから日帰りで行ける、世界遺産のある美食の町、リヨン
ローマ時代から2,000年以上繁栄が続く街リヨンは、パリ、マルセイユに続くフランス第3位の人口を誇る都市です。”絹の町”としても有名なリヨンには、ローヌ川とソーヌ川の二つの大きな川が流れ、昔から交通と交易の要所でもあり、ヨーロッパでも有数の商業都市です。パリ(Paris)とリヨン、約470キロメートルと離れてはいますが、電車でのアクセスが便利なので、実はパリから日帰りで行くこともできます。今回は、パリ(Paris)からリヨンへのアクセスの方法、および見所についてご紹介します。
パリの「リヨン駅(Gare de Lyon)」から、TGV(高速電車)で約2時間。乗り換えなし
パリの「リヨン駅(Gare de Lyon)」から、リヨンの中心にある「リヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)」駅までは、TGV(高速列車)で約2時間。乗り換えなしなので、途中で間違える心配もなく安心です。
TGV(高速列車)の乗車には、指定席の購入が必要。乗車日の90日前からインターネットサイトでチケットが購入でき、早いほどお得な価格で購入できます。乗車日には、駅にて電光掲示板の発車番線を確認し、チケットにかかれた号車と席に乗るだけです。
TGV(高速列車)の1等車両は、ゆったりとしたリクライニングのある椅子で、より優雅な旅を満喫できます。2等車でも少し席が狭くはなりますが、綺麗な車内で快適な旅ができます。早い時期にチケットを購入すれば、1等車も2等車とさほど変わらないお得な価格で乗車できるプランがありますので、できるだけ早い計画がおすすめです。行きは、パリ(Paris)のリヨン駅発5時台から1時間に1〜2本程度電車があり、帰りもリヨン21時59分発の電車まで1時間に1本は走っています。料金は、予約クラスや時期によりますが、往復で2万円前後です。
<TGVの購入方法>
■SNCF(フランス国鉄)
予約ページ(英語・フランス語他):https://www.oui.sncf/billet-train
■レイルヨーロッパ
予約ページ(日本語):http://www.raileurope-japan.com/
フランス料理界の重鎮に敬意を表し名付けられた「ポール・ボキューズ市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)」へ
「リヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)」駅の西口の目の前にある大型ショッピングモールを抜け歩いていくと、1859年からの歴史ある、「ポール・ボキューズ市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)」へ着きます。
昔は「リヨン中央市場」の名称だったのですが、リヨン出身のいわずと知れたフランス料理界の重鎮、ポール・ボキューズ氏に敬意を表し、名前が変更されたそうで、2004年から改装された市場は、活気に満ち溢れつつ、大変上品な雰囲気の場所です。
場内には約50の店舗があり、肉・魚・牡蠣・チーズ・パン・惣菜・ワイン・果物屋など、見るからに新鮮で力強さも伝わってくる、種類豊富なリヨンの食材が、みっしりと並んでいます。
数店舗ある牡蠣やウニなどの専門店では、その場でワインと合わせて食べられるカウンターやテーブルスペースもあり、氷の上に並べられた新鮮な牡蠣やウニ、ハマグリ、エビをなんとひとつから試せ、至極の時が過ごせます。
また、場内にはバーやレストランもたくさんあるので、リヨンの食材を使った料理やワインを楽しむこともでき、「ポール・ボキューズ市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)」で1日中過ごせそうな充実した場所です。
■ポール・ボキューズ市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)
公式ホームページ(フランス語): http://www.halles-de-lyon-paulbocuse.com/
最寄り駅:TVGのリヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)駅から徒歩10分
営業時間:(市場全体)火〜土曜日7:00 〜19:00、日曜日・祝日7:00〜13:00
(レストラン) 火〜土曜日7:00 〜22:30、日曜日・祝日7:00〜16:30
※時期により営業時間が変更されることがありますので、
定休日:月曜日 ※牡蠣屋は月曜日もオープン
住所:102,Cours Lafayette,69003,Lyon
街の中心地にある、「ベルクール広場(La place Bellecour)」へ
ローヌ川とソーヌ川にはさまれたリヨン市の中心部にあり、ヨーロッパでも最も大きな広場のひとつである「ベルクール広場(La place Bellecour)」の中央には、”ルイ14世”の像が。広場には、インフォメーションセンターがあり、リヨン観光のマップやイベント情報などを無料でもらえます。ポール・ボキューズ氏の像もあり隣に座って記念写真も撮れます。
「ベルクール広場(La place Bellecour) 」で見逃したくないのが、フランス国内でも有名な作家”サンテグジュペリ”と”星の王子さま”の銅像。リヨン市内にある唯一の銅像は、2000年、サンテグジュペリ生誕100年記念を祝って作られたものだそうですが、二人が座っている場所がかなり高いので、お世辞にも見やすいとは言えません。また、”サンテグジュペリ”のアパートの生家が50mほどのところにあるため選ばれた銅像の場所は「ベルクール広場(La place Bellecour)」の隅っこにあり、観光バスが像の目の前に止められていることも多く、「ベルクール広場(La place Bellecour)」の中心から見えないこともあります。子供の遊具のある場所、「ベルクール広場(La place Bellecour) 」の南西方面を探してみてください。
リヨンの観光地のお土産店では、ハガキ、マグカップ、ハンカチ、袋などの星の王子さまグッズをたくさん目にします。
■ベルクール広場(La place Bellecour)
最寄り駅:地下鉄A・D線のベルクール(Bellecour)駅すぐ
※ポール・ボキューズ市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse)からは徒歩25分
住所:102,Cours Lafayette,69003,Lyon
ランチは、ポール・ボキューズ(Paul Bocuse)氏のビストロへ
“美食の町”とも称される”リヨン”には、お手ごろ価格でリヨンの郷土料理が食べられる、「ブション(Bouchon) ※ビストロのリヨン特有の呼び方」がたくさんありますが、ポール・ボキューズ氏のビストロに行くのもおすすめです。ポール・ボキューズ氏は、フランス料理に新しい革命をもたらした逸材で、生家のレストランにて65年以降ミシュラン3つ星を継続獲得し、自身もフランス最優秀職人(Meilleur Ouvrier de France:通称 M.O.F.)を取得している、日本でも超有名な料理人です。
リヨン郊外にある3つ星レストランは敷居が高いですが、ポール・ボキューズ氏はリヨンの中心地に7つのビストロを持っています。店舗ごとにコンセプトが異なり、ポール・ボキューズ氏のビストロの中でも一番南に位置する「ブラッスリー・ル・シュッド(Brasserie Le Sud)」では、南の地中海料理と東洋料理を盛り込んだ料理で、オリーブオイルなどが使われた、太陽の輝きを感じる料理を食べられます。
平日は、前菜・メインもしくはメイン・デザートの2品で23.1ユーロ、前菜・メイン・デザート3品で26.9ユーロのコース、日曜日は3品で32.9ユーロのコースがあり、アラカルトでも頼めます。子供向けに、ピザなどのメインと飲み物、デザートが選べるお子様コースもあり、家族連れでも気軽に利用できるアットホームな雰囲気のレストランです。週末は特に満席になる可能性が高いので、ランチでも予約(公式ホームページ、電話)は必須の人気店です。
■ブラッスリー・ル・シュッド(Brasserie Le Sud)
公式ホームページ(英語・フランス語):https://www.brasseries-bocuse.com/
最寄り駅:ベルクール広場(La place Bellecour)にある、地下鉄A・D線のベルクール(Bellecour)駅から徒歩5分
営業時間:火〜木・日曜日12:00 〜14:30(ランチのスタート時間は12:00〜13:45)、19:30〜23:00(ディナーのスタート時間は19:30〜22:00)
月・金・土曜日12:00 〜14:30(ランチのスタート時間は12:00〜13:45)、19:30〜23:30(ディナーのスタート時間は19:30〜22:30)
定休日:なし
住所:11 Place Antonin Poncet, 69002 Lyon
ソーヌ川を渡り、旧市街ヴュー・リヨン(Vieux Lyon)へ
ベルクール広場(La place Bellecour)を通り、ソーヌ川を西側へ渡ると、旧市街ヴュー・リヨン(Vieux Lyon)のあるエリアへ到着します。ソーヌ川沿いにある、石畳の街並みの残る旧市街ヴュー・リヨン(Vieux Lyon)からクロワ・ルースにかけての地区は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されているエリアです。
旧市街ヴュー・リヨン(Vieux Lyon)にある、「サン・ジャン大聖堂(Primatiale Saint-Jean)」は、フランス王のアンリ4世が結婚式をあげたとされる、司教座聖堂です。聖堂の前の広場には、600年以上もの歴史がある天文時計の鐘があり、現在もその音色を響かせています。
聖堂の中のステンドグラスは、絵画のようで、細かい緻密なデザインが目をひきます。色合いも赤・ピンク・黄色・青と鮮やかで、椅子に座って外からの光にキラキラ輝く様子を見ていると幸せな気分に浸れます。
■サン・ジャン大聖堂(Primatiale Saint-Jean)
公式ホームページ(フランス語):https://www.cathedrale-lyon.fr/
最寄り駅:地下鉄D線、ケーブル鉄道F1・F2線のヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅から徒歩2分
営業時間:月〜金曜日8:15 〜19:45、土・日曜日8:00〜19:00
定休日:なし
住所:Place Saint-Jean, 69005 Lyon
「サン・ジャン大聖堂(Primatiale Saint-Jean)」から続く狭い道には、お土産物や「ブション(Bouchon) ※ビストロのリヨン特有の呼び方」が道の両側に並んでいます。
美食の町リヨンには、美味しいお菓子も。中でもガナッシュを緑色のマジパンで包んだ”クッサン・ド・リヨン(Coussin de Lyon)”は伝統菓子として有名で、17世紀にリヨンで伝染病が流行った際に、聖母マリアに祈りの際に収めた絹のクッションにのせた金貨のイメージだとか。また、アーモンドを砂糖の衣で包んだ赤い”プラリネ(Praline)”、 油で揚げた生地に砂糖をたっぷりかけた素朴なドーナッツのようなお菓子”ビューニュ(Bugne)”もリヨンの名物お菓子です。
■Saint Jean Délices
最寄り駅:地下鉄D線、ケーブル鉄道F1・F2線のヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅から徒歩5分
営業時間:月・火曜日、木〜日曜日10:00 〜19:30
定休日:水曜日
住所:19 Rue Saint-Jean, 69005 Lyon
”プラリネ(Praline)”をふんだんに使った、”ブリオッシュ・プラリーヌ”は地元っ子にも大人気。大きなメロンパンに赤いプラリーヌがまぶしているようなパンで、旧市街にある、「ブーランジェール・デュ・パレ(Boulangerie Du Palais)」は毎日大混雑しています。
■ブーランジェール・デュ・パレ(Boulangerie Du Palais)
公式フェイスブック(フランス語):https://www.facebook.com/BoulangerieDuPalais/
最寄り駅:地下鉄D線、ケーブル鉄道F1・F2線のヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅から徒歩4分
営業時間:水〜月曜日7:00 〜20:00
定休日:火・水曜日
住所:Rue du Palais de Justice, 69005 Lyon
ケーブルカーで、フルヴィエール(Fourvière)の丘へ
旧市街の入り口にある、ヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅からモノレールに乗って、フルヴィエール(Fourvière)の丘へ。丘の上からは、リヨン市内の広範囲を見下ろす壮観な景色が望めます。
モノレールは、往復で3ユーロ。フルヴィエール(Fourvière)の丘へは徒歩でも辿り着けますが、大変坂が急なので、モノレールを使うのがおすすめです。ただし、丘の上の駅からも「フルヴィエール ノートルダム大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)」、「フルヴィエール 古代ローマ劇場(Théâtres Romains de Fourvière)」へは、まだまだ急な坂を登ることになるので、心構えが必要です。
「フルヴィエール ノートルダム大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)」は、リヨン市内の至る所から望むことのできるリヨンの象徴的建物。1872年から建設されたバシリカ式教会堂で、金を使った見事な装飾のある中央の大きな聖堂や質素な雰囲気の小さな聖堂などいくつかの部屋に分かれています。また、外の装飾は、まるでレースのような繊細さのある上品さと豪華さを兼ね添えており見応えがあります。
■フルヴィエール ノートルダム大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)
公式ホームページ(英語・フランス語・スペイン語):http://www.fourviere.org/
最寄り駅:ケーブル鉄道F2線のフルヴィエール(Fourvière)駅から徒歩1分、ケーブル鉄道F1線のミニーム・ローマン・テアトル(Minimes – Roman Theaters)駅から徒歩9分
営業時間:月〜日曜日7:00〜19:00
定休日:なし
住所:8 Place de Fourvière, 69005 Lyon
「フルヴィエール ノートルダム大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)」から坂を5分ほど下ると、「フルヴィエール 古代ローマ劇場(Théâtres Romains de Fourvière))」へたどり着きます。紀元前43年に作られた、ヨーロッパ最大級のローマ劇場の遺跡で、今でも夏のコンサートや演劇の会場として使われています。
■フルヴィエール 古代ローマ劇場(Théâtres Romains de Fourvière)
公式ホームページ(英語・フランス語):http://www.museegalloromain.grandlyon.com/
最寄り駅:ケーブル鉄道F1線のミニーム・ローマン・テアトル(Minimes – Roman Theaters)駅から徒歩3分
営業時間:(美術館)火〜金曜日11:00〜18:00、土・日曜日10:00〜18:00
(劇場)火〜日曜日7:00〜21:00(4月15日〜9月15日)、火〜日曜日7:00〜19:00(9月16日〜4月14日)
定休日:月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
住所:8 Place de Fourvière, 69005 Lyon
※美術館の料金:(通常)4ユーロ、 (臨時展示期間の2018年5月6日まで)大人7ユーロ、学生や団体割引あり。毎月最初の日曜日は無料
パリへ戻るTGVは、最初にリヨンに降り立った「リヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)」駅から乗車します。フルヴィエール(Fourvière)の丘から「リヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)」へは、モノレールの復路でヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅まで降り地下鉄D線に乗って、Saxe-Gambetta駅で地下鉄Bに乗り換え、合計約20分弱で着きます。「リヨン・パール・デュー(LYON PART DIEU)」駅からパリのリヨン駅へは行きと同じく所用時間約2時間の乗り換えなしの旅です。
ユネスコの世界遺産にも登録されているリヨンの街並みは、パリのグレーの街並みとは異なるオレンジの温かみのある色合いです。また、旧市街を覗いてどの道路幅もとても広く、まっすぐ長く続く道がほとんどなのも、パリと異なる点。観光地間を徒歩移動しようと思うと、かなりの長い距離を歩き(住宅街であまり店など見るものがない道もあります)時間もかかりますが、地下鉄やケーブルカーを利用して効率よく回れば、パリから日帰りの旅行でも、十分にリヨンの街観光と美食を満喫することができます。
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初めまして。酒と旅行がメインのブログを書いているcongiro(コンヒーロ)と申します。 普段から日本各地を旅しては、地元の方々が飲んでいる日常系の日本酒を好んで買って楽しんでいます。 特に好きなのは、その土地の日常酒を、その土地の方たちがいる酒場で飲むことですね。「誰かの日常は、私の非日常」。それを念頭に、いつも楽しく旅をしています。...
お世話になっております。会社員兼業ライターの赤祖父と申します。6歳男子、2歳女子の2児の父親でもあります。 前回に引き続き、今回も「息子に興味のあることを聞いてプランを組み立てる、親子ふたり旅」へ行ってきましたので、その内容をご紹介します。旅の終わりには、こちらも前回と同じく、思い出を絵に描いてもらいました。未就学児と旅をする上でおすすめの“鉄道体験”についても触れています。 「雪が見たい」の一言で、行き先は青森に決めた...
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