投稿者 : 鈴木 圭、投稿日 2019 年 5月14日

ローカルフード満載! パレルモの三大マーケットを食べ歩く

海外旅行ではスーパーや市場を回るのが楽しみという人はきっと多いはず。市場に並ぶ見慣れない食材や活気ある人々のやり取りには、その国の特徴が如実に現れるものです。そういう意味では、観光地化されたスポットよりもよほどその土地の文化を知ることができる場所と言えるかもしれません。

そんな市場好きの方にぜひおすすめしたいのが、シチリアにあるパレルモのメルカート(市場)です。この記事では、パレルモの有名な三大メルカートを中心に、その様子や楽しみ方をご紹介します。

なぜ、パレルモで市場巡りをするの?

ストリートに並ぶ露店で人々がその日の食材を買い求める。そんな市場の様子は、実はイタリアに限られたものではなく、ヨーロッパならどこでも見られるありふれた光景です。それなのに、なぜ「パレルモ」で「市場」なのでしょうか?

パレルモの市場はいつも多くの人で賑わう
パレルモの市場はいつも多くの人で賑わう

実は、その理由はパレルモの歴史にあります。

地中海最大の島であるシチリアは、地中海文明の十字路と言われるほど数多くの人々が行き交う場所でした。その中には古代ローマ人だけでなく、かつてこの地を支配したアラブ人やノルマン人なども含まれており、いずれの時代もパレルモは地中海の重要な交易拠点として発展していきます。

現在パレルモに残っている市場は、北アフリカからやってきたアラブ人たちが路上で商売を始めたのが起源とされており、その歴史はなんと1,000年を越える由緒あるもの。路地裏の狭いスペースに露店が1km以上も延々と続く巨大さで、珍しい野菜や捌きたての食肉がひしめくように並ぶ姿は見ているだけでも楽しいものです。

捌きたての食肉が並ぶ光景はかなりのインパクト!
捌きたての食肉が並ぶ光景はかなりのインパクト!

ヨーロッパの有名市場は観光地化されているものも多く、フードコートが併設され、売られているものはお土産ばかりなんてことも珍しくありません。しかし、このパレルモの市場は正真正銘、地元民のための市場です。捌かれている途中の牛や羊がぶら下げられ、お昼前には人々がごった返すカオスになるなど容赦はありません。しかしだからこそ、飾らないパレルモの普段の姿が見えるとして、多くの人を魅了する場所でもあるのです。

パレルモでおさえておくべきマーケットは3つ!

パレルモには数多くの市場がありますが、中でも歴史ある市場といえばバッラロ市場、ヴッチリア市場、カーポ市場の3つです。それぞれの見どころやおすすめの時間帯をまとめました。

まさに食材のカオス! バッラロ市場

バッラロ市場

パレルモの市場を語る上で欠かせない存在であるバッラロ市場。パレルモ中央駅近くのダルマッツィオ・ビラーゴ通りからバッラロ通りにかけた一帯に広がる市場で、1kmほど続く狭い路地には食肉や鮮魚、野菜、果物などを扱う露店がひしめくように並びます。取り扱う食材の幅はとにかく広く、中には1メートルを越える巨大なズッキー二やケッパーの塩漬け、ウサギ、仔ヤギなどイタリアならではのものも。

特に午前中は多くの人で賑わい、時として前に進むのも難しいほど混雑しますが、それは市場らしい活気に溢れているということ。終点となるバッラロ通りの出口にはトラットリア(食堂)も並ぶため、食事がてら立ち寄るのもいいでしょう。

バッラロ市場(Mercato Ballarò)
場所:パレルモ中央駅より徒歩5分、バッラロ通り(Via Ballarò)周辺
営業時間:7:30〜20:30
おすすめの時間帯:午前中(午前中のみ営業する店が多い)

エノテカやパブを楽しむならヴッチリア市場

ヴッチリア市場

パレルモの魚市場といえばこのヴッチリア。中心となるカラッチョロ広場にはその日に水揚げされた新鮮な魚や、その鮮魚をストリートフードとして売る露店が並びます。ただ、パレルモの魚市場が閉場する月曜日は市場も閑散とするため、見学するならそれ以外の曜日がいいでしょう。

また、最近はエノテカやパブも増えてきており、夜は若者たちが集まる場所としても知られています。夕食を食べた後、イタリア人に混じって軽く飲みに出かける場所としてもおすすめです。

ヴッチリア市場(La Vucciria)
場所:パレルモ中央駅より徒歩10分、カラッチョロ広場(Piazza Caracciolo)周辺
営業時間:7:30〜20:30
おすすめの時間帯:月曜を除く午前日〜昼過ぎまで(パブに行く場合は夜もおすすめ)

地元に密着したカーポ市場

ヴッチリア市場

ヴッチリア市場の終点であるローマ通りからマッシモ劇場裏のポルタ・カリーニ通りまで延々と続く市場。パレルモに3つある歴史的市場の中でも最長で、取り扱う品物も食品や日用品、カバン、洋服など多岐にわたります。品揃えがとにかく豊富で、その意味では最も地元に密着した市場と言えるかもしれません。

ただ、観光客にとって安価な日常用のカバン・洋服などはあまり用がなく、退屈に思えてしまうかも。時間に余裕のない場合は、マッシモ劇場の裏側に回ってポルタ・カリーニ通り周辺だけをさっと見学するのもいいでしょう。

カーポ市場(Mercato del Capo)
場所:マッシモ劇場より徒歩5分、ポルタ・カリーニ通り(Via Porta Carini)周辺
営業時間:月〜土曜7:00〜20:00、日曜7:00〜13:00
おすすめの時間帯:午前中(午前中のみ営業する店が多い)

パレルモはストリートフードの宝庫、世界第5位の実力を味わおう

「市場には美味しいものがある」というのはどの国でも常識。食材を眺めてお腹が空いてきたら、市場の屋台で腹ごしらえをしてみましょう。

実は、パレルモはストリートフードのメッカとしても有名な街。かつては米フォーブス誌の「ストリートフードが美味しい街ランキング」において、全世界で5位に選ばれたこともあるほどです。また、旅行者向けにストリートフードを食べ歩くだけのツアーが開催されていると聞くと、その実力のほどがうかがえるのではないでしょうか。市場巡りの合間に試してみたい、ストリートグルメをご紹介します。

ミルツァのパニーノ

ミルツァのパニーノ

ミルツァとは牛の脾臓のこと。あらかじめ煮込んだモツを油の中で温め、パンにたっぷりと挟んでいただく名物バーガーです。レモン汁と塩だけのシンプルな味付けのせいか、見た目に反してあっさりとしており、コリコリとしたモツの食感も手伝ってぺろりと食べられます。価格は2ユーロ(約250円)前後。

パネッレのパニーノ

パネッレのパニーノ

ミルツァと並ぶパレルモの名物バーガーといえばこのパネッレ。ひよこ豆の粉を練って揚げたものをパンに挟んでいただきます。こちらも味付けはレモン汁と塩だけで、食欲のないときでもあっさりと食べられる一品です。レストランやパブではパンに挟まずに、パネッレだけをおつまみとしていただくこともあります。こちらも価格は2ユーロ前後とリーズナブル。

アランチーナ

アランチーナ

サフランライスに具を詰めてからりと揚げたライスコロッケ。とはいえその大きさは大人の握りこぶしほどもあり、少食な人なら1コでお腹いっぱいになってしまうほどです。すでに揚げたものを並べているのではなく、その場で揚げてくれるお店を探して注文しましょう。中に入る具材はハムとチーズ、ラグー(ミートソース)などいくつかの種類があります。こちらも価格は1コあたり2ユーロ前後。

コロッケの中には具材がたっぷり
コロッケの中には具材がたっぷり(こちらの中身はラグーです)

スフィンチョーネ

スフィンチョーネ

パレルモ風のピッツァとでも呼ぶべきスフィンチョーネ。ふかふかのパンの上にトマトソースがかかっており、さらにカチョカバッロチーズをたっぷりとのせていただきます。見た目はマルゲリータと似ていますが、味は全くの別物。トマトソースの中にはたっぷりの玉ねぎとラードが入っていて甘みがあり、ボリュームのある一品です。

パレルモでは移動式の小さな屋台で売られているのが有名ですが、観光客と見るとぼってくる場合もあるのでご注意を。コッペパンほどの細長いピースで1.5ユーロ(約190円)程度が目安です。

ローカルなお土産は、市場で探してみよう!

せっかくパレルモの市場を散策するのなら、お土産探しをしてみてはいかがでしょうか。現地の人々が訪れる市場の品物はリーズナブルで、おまけにパレルモの空気を色濃く感じることができます。今回市場を歩いていて見つけた、おすすめのお土産をいくつかご紹介しましょう。

シチリアの味を自宅で再現!イワシパスタの缶詰

イワシパスタの缶詰

シチリア滞在中には名物料理の「イワシとフェンネルのパスタ」を味わった人も多いはず。それを自宅で手軽に再現できるのがこの缶詰です。パスタを茹でて缶詰のパスタソースと絡め、軽く炒ったパン粉をかけるだけという手軽さで、レストランの味……とはいかないまでも、かなり忠実に再現されています。(正確にはイタリアのパン粉は日本のものに比べ細かいのですが、日本のパン粉でも十分代用可能です。)シチリアの味を思い出せる缶詰は、ぜひおすすめしたいお土産です。

家庭で極上のスイーツを楽しめる、ピスタチオクリーム

ピスタチオクリーム

シチリアを代表する食材の一つであるピスタチオ。そのピスタチオをふんだんに使い、甘いペーストに仕上げたのがこのクレマ・ディ・ピスタッキオ(ピスタチオクリーム)です。その味わいは濃厚で、パンケーキやアイスクリームなどと合わせると極上のスイーツに。また、コーヒーやホットミルクともよく合います。

個人的にはスプーンですくってそのまま食べるのもおすすめですが……かなりカロリーが高いので十分にご注意のうえお楽しみください!

ワインを選ぶならネーロ・ダーヴォラを

ワインを選ぶならネーロ・ダーヴォラを

イタリア土産の定番といえばワイン。せっかくシチリアに来たのなら、その土地のワインを選んでみましょう。シチリアではさまざまな品種のぶどうが栽培されていますが、その中でおすすめしたいのがネーロ・ダーヴォラ(Nero D’Avola)です。

シチリア島原産の赤ぶどう品種で、力強くしっかりとした味わいが特徴。長期熟成にも適しています。ワインのエチケット(ラベル)にはぶどうの品種が書かれていますが、念のため産地を確認して購入することをおすすめします。

シチリアの日常が凝縮された市場へ

シチリアがアラブ諸国の一部だった時代から1,000年以上も続く歴史を持ち、イタリアでも最大級の規模を誇るパレルモの市場、いかがだったでしょうか。記事だけでその魅力を書き切るのは残念ながら限界がありますが、実際の市場には店主のだみ声が飛び交い、そこにいるだけで元気になれそうなほどの活気があります。特に海外の市場やスーパーが好きな人には絶対におすすめしたい場所です。

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