投稿者 : 大田原 結梨、投稿日 2015 年 6月4日

グルメな台湾に来たら芸術的な“白菜”必見!in国立故宮博物院

中国歴代皇帝のコレクションを継承した「国立故宮博物院」は、台湾のハイライトとも言える観光スポット。イギリスの大英博物館、フランスのルーヴル美術館、アメリカのメトロポリタン美術館と名を連ねる4大博物館のひとつで、約70万点の膨大な至宝を収蔵しています。

定期的に入れ替えながら約6000〜8000点の作品が展示されていて、そのなかで不動の人気を誇るのが“白菜”です。ごくありきたりな食材が世界中の人々を惹き付けて止まない、その秘密とは……?

天然の色合いを巧みに生かした翠玉白菜

[one_half]201504_jade_4-4出典:国立故宮博物院[/one_half]

[one_half_last]1階から3階まである広い展示室のなかで、連日、長蛇の列となるのが3階の“白菜”こと「翠玉白菜」。東京国立博物館で2014年に開催された「国立故宮博物院展」では門外不出とされてきたこの作品が出展され、総入場者数約40万2000人が来場。“白菜”を一目見ようと、240分待ちの行列ができ ました。

話題の“白菜”ですが、目にした瞬間、その注目度や話題性に反して高さ18.7cm、幅9.1cm、厚さ5.07cmという意外 な 小ささに驚く人も多いはず。しかしじっくりと鑑賞していると、小さくて、しかも白菜というごくありきたりな食材にどんどん惹き付けられていくから不思議で す。[/one_half_last]

翡翠(ヒスイ)に非常に細かい彫刻を施した作品は本物の白菜にそっくりで、芯部の透き通るような白色と葉部の深い緑色の絶妙な色合いは自然の産物というのだから驚き。滑らかで美しい玉の輝きにうっとりと見とれてしまいます。そして、清廉潔白を象徴する白菜の葉先に彫られた、キリギリスとイナゴも見逃せません。これらは多産(子孫繁栄)を象徴する昆虫で、この作品が清代末期の光緒帝(こうしょてい)の妃・瑾妃が暮らしていた寝宮で保存されていたことから彼女の嫁入り道具だったのではないかと一説に考えられています。

ほかにも、白菜は吉祥(めでたい兆し)の象徴といった一般的な説や、埋もれた才能を表しているという説があるなど、作品の真意は謎めいています。鑑賞する側に想像の余地を多く残しているのも、この作品のまた違った魅力です。

豚肉の質感を見事なまでに表現した肉形石

[one_half]201504_stone_4-4出典:国立故宮博物院[/one_half]

[one_half_last]「翠玉白菜」と並んで人気が高いのが、「肉形石(にくがたいし)」(高さ5.73cm、幅6.6cm、厚さ5.3cm)です。世界的に有名な博物館のハイライトが食べ物続きというのも、なんともグルメ天国の台湾らしいところ。

白 菜と並んで展示されている肉形石は、まさに「東坡肉(豚の角煮)」そのもの。ちょっと話が逸れますが、東坡肉は台湾のおふくろの味を代表する食べ物で、 しょうゆ味でじっくりと煮込んだ肉のやわらかさと、たっぷりとのった脂身がなんともたまりません。日本人にはちょっと敬遠されがちなギトギトの脂身、これ を赤身といっしょに楽しめるようになったら正真正銘の台湾通です。[/one_half_last]

この「肉形石」に用いられているのは、幾層もの模様が重なった碧玉(へきぎょく)類の鉱物。自然のなかで長い歳月を経て一層ごとに違った色あいが見られるのが特徴で、職人がこの特徴を活かしながら彫刻や染色を施し、おいしそうな赤身とうまみが詰まった脂身、皮、表面の毛などの質感を見事に表現しています。もともとは冷ややかで固い石が、口に入れればとろけそうな味わい深い作品に仕上がっていてユーモアたっぷりです。

鑑賞したあとはユニークな白菜グッズを物色

[one_half]白菜人気にあやかり、国立故宮博物院地下1階のギフトショップや街のお土産屋さん、夜市ではさまざまな白菜グッズが販売されています。

自分用にもお土産用にもよく購入されるのが、白菜ストラップ。縁起が良さそうなので、お守り代わりに携帯する人が多数! ほかにもキーホルダーや栓抜き、 マグネットなど手頃な価格の白菜グッズが各種そろっています。お土産として配れば台湾旅行の話で盛り上がりそうですね。[/one_half]

[one_half_last]Photo by: yuri otahara[/one_half_last]

おいしそうな白菜と東坡肉を見ていたらお腹が空いてきなら

[one_half]さらに、「おいしそうな白菜と東坡肉を見ていたらお腹が空いてきた〜!」という方は敷地内に併設されたレストラン「故宮晶華」へ。約8〜10㎝ほど のミニ白菜に桜えびをキリギリスとイナゴに見立てた「翠玉白菜」や、しょうゆや砂糖の煮汁で約2時間じっくりと煮込んだ「肉形石」を見て、食べて楽しめま す。

分かりやすくて親しみやすい、でもその真意は謎で奥が深〜い白菜。みなさんもぜひ、ご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。[/one_half]

[one_half_last]201504_chinese-cabbage_4-4Photo by: Blowing Puffer Fish[/one_half_last]

国立故宮博物院は台北市の郊外にあります。MRT淡水信義線の「士林」駅で下車し、バスかタクシーで向かいます。バスの場合は、紅30、255、304、815(三重-故宮博物院)、小型バス18、小型バス19のいずれかに乗り、故宮博物院前で下車してください。館内の展示物をじっくり見てまわると丸一日はかかりますが、ハイライトだけをかいつまんで鑑賞するなら1時間半程度です。

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