5歳の息子に興味のあることを聞いて、1泊2日の名古屋旅へ行ってみた
お世話になります。普段は会社員をしている赤祖父と申します。5歳の息子・2歳の娘2人の子どもを持つ親でもあります。
息子はついこの間生まれたと思っていたのに、しっかり会話をしたり意思表示を見せたりと、どんどん人間らしくなっていく。子どもの成長は早いものである。
今回は、最近さまざまなことに興味を持ち出した息子と一緒に、父と子の二人旅をしてきた。親だけで行き先などを全て決めるのではなく、息子に興味のあることを聞いて、訪れるスポットを決める旅だ。
旅の終わりには、息子の中で印象に残ったものを絵に描いてもらった。
行き先を考えるとはいっても、何の情報もサポートもなく5歳児が決めるのはさすがに無理がある。そこで、なるべく本人の自主性ややりたいことを重んじつつ、自分自身で選択できるよう、「●●と▲▲だったらどっちに行きたい?」「◆◆と★★だったらどっちに乗りたい?」などと質問を出しまくった。
本人の希望としては小さい頃から好きな鉄道、そして今ハマっているレゴブロックで遊びたいという。
この2つの“おいしいとこ取り”ができるのは、なんといっても名古屋しかない。
名古屋には「リニア・鉄道館」と「レゴランド・ジャパン・リゾート」という大きな施設があり、いっぺんに巡れそうなのだ。希望を全面的に叶えるべく、1泊2日かけて、2つの施設をはしごすることにした。
というのも、息子の最近のレゴ好きは半端な勢いではなく、“ガチ勢”と呼んで差し支えないだろう。何しろ今まで買わされたレゴのパッケージの一部でも、上の写真くらいのボリュームになる。私の中ではレゴは知育玩具の位置付けなので、あまりケチらずに買ってあげているが、総計を考えると膝から崩れ落ちそうな気がするので計算する気にはなれない。
そして、息子はレゴブロックでよく乗り物を作っている。鉄道とレゴのテーマパークの組み合わせは今の息子にとってドンピシャ。盆と正月が一緒に来たような旅になるのではないか。
私自身の感覚としても、自分で旅程を考え、自分で旅先のことや行き方を調べ、自分で決めて出かける旅の方が印象に残る。ツアー旅行や、誰かにプランニングしてもらった旅も楽しいが、年を取るとそれこそ行ったことすら忘れてしまったりする(同世代の方ならあるある! って思うでしょう)。
なお息子は最初「海が見たいな」などとアンニュイなことをつぶやいていたのに、一度レゴのことを思い付いたら「海はいい(ノーサンキューの意)」と言っていた。
子ども自身に旅の準備を(なるべく)してもらう
せっかくの機会なので、徹底的に息子の中で印象に残る旅にしてほしいと考え、旅行の支度もなるべくやってもらうことにした。
【準備その1】自分で新幹線のきっぷを購入する
早速、新幹線の切符を買いに行く。……ただし、未就学児は新幹線自由席なら無料なので、実際には私のきっぷのみを購入。券売機の操作もやってもらった。
大人が何気なくやっていることも子どもにとっては新しい体験なのだ。そして親は財布になりきる。
【準備その2】自分の荷物の用意をする
息子が普段愛用しているリュックに、旅行で必要な荷物を詰めてもらう。着替えやタオル、自分用のスマートフォン、お菓子などなど。
【準備その3】旅の行程を親子で常に共有する
自分たちの現在位置や旅の目的地・名古屋についても、地図を見せながら逐一説明していく。
もちろん100%理解しているとは思えない。でも、「ただ親について歩くだけ」ではなく、リアルタイムに地名や距離感などを意識するだけで、後に残る印象は全然違うと思っている。
そんな感じでいざ出発。旅行を楽しみにし過ぎて無駄に5時起きした息子、新幹線の中でも全然寝なかった。お父さんはめっちゃ眠いよ……。
1日目:リニア・鉄道館で歴代の実物車両を見る(大人も)
名古屋駅で新幹線を降り、あおなみ線に乗り換え、終点の金城ふ頭駅からすぐの場所にあるのが「リニア・鉄道館」だ。東京からほぼ直結で行ける感覚。
リニア・鉄道館の目玉は、全国でも珍しい、新幹線や超電導リニアの試験車の実物車両(実車)展示だ。
次の写真手前(息子の腕に隠れている)は超電導リニアの試験車両「MLX01-1」、奥は通称「300X」という新幹線の試験車両だ。試作機とか実験機って、すごくロマンを感じませんか?
その他の実車展示も充実。親もアガる〜~~〜〜!(息子に負けず劣らず私も鉄道好きなのです)
テンションが上がったところでランチタイムへ。
館内への弁当の持ち込みなどは自由で、持ち込んだものを食べるスペースもある。駅弁やリニア・鉄道館限定の弁当も買える(ただし休日はかなりの競争率になるので注意)。
せっかくなので、子ども向け「ドクターイエローランチボックス」を購入。レアな黄色い新幹線を模した箱はしっかり持ち帰りました。
飲食スペースでは、展示車両を眺めながら食べられます
なお、息子によればイチオシおかずは唐揚げとのことです。
私は「復刻 昭和39年新幹線開業弁当」をチョイス。
昭和39年(1964年)の東海道新幹線開業当時に東京駅で販売された幕の内弁当を再現したとのこと。ホントに味付けが昭和だ~~~。なんだか実家の味を思い出してしまった……。
先ほどの超電導リニアや新幹線以外にも展示車両は多数。
私のイチオシはこちら、オヤ31。「建築限界測定車」という車両の一つ。
建築限界測定車の車両の周りにはトゲトゲが付いている。このトゲトゲは、車両が線路上を走行する際にぶつかる建築や障害物がないかどうかをチェックするためのもの。トゲが何かにぶつかると障害物などを検知する仕組みだ。
息子はといえばジオラマに夢中。眺めていると朝昼晩の景色に変化していき、夜は線路の補修をする車両が登場するなどのストーリーが見られ、息子は「あっ! 見て見て」と、いろいろな変化を発見して、私に教えてくれていた。
リニア・鉄道館
住所:愛知県名古屋市港区金城ふ頭3-2-2
TEL:052-389-6100
営業時間:10:00~17:30(最終入館は閉館30分前まで) 火曜(祝日の場合は翌日)、12/28~1/1休 ※春休み、ゴールデンウィーク、夏休みなどは火曜日も開館
公式サイト:https://museum.jr-central.co.jp/
「名古屋っぽい食事」もちゃんと楽しむ
子どもの体力に配慮して少し早めにリニア・鉄道館とバイバイした後は、一旦ホテルで汗を流す。
落ち着いてから夕食を兼ねて、ちょっとした市内観光へ繰り出してみた。
夕食は名古屋市に本社のあるスガキヤで。チェーン店ではあるが、東京には店舗がないので立派なご当地グルメである。息子としては食事のおかずとしてソフトクリームが食べられることにご満悦の様子だった。スガキヤ独自の先割れスプーン(?)である「ラーメンフォーク」にはさすがに困惑したようで、「使いにくっ」と言いつつ、ゲラゲラ笑っていた。
食事の後は腹ごなしの散歩。オアシス21は東京にもないようなスポットで楽しかった。
そしてホテルの近くに中古のおもちゃ屋が偶然あり、中古のレゴを買わされた。2日目への気分を盛り上げるためにもいいか……。
息子はレゴ気分最高潮の中、就寝。きっと夢の内容もレゴだったのかな。
2日目:いざレゴランド・ジャパン・リゾートへ!
今回の旅行を楽しみ過ぎて“仕上がっている”息子は、やはりムダに5時起き。起こされて朝風呂に入ってから、ホテルの朝食バイキングを堪能した。
さあ、今日はレゴランドの日だ。
レゴランド・ジャパンの開業(2017年)当時は、設備などに関するさまざまな意見をインターネットで見かけたが、それから2年がたっている。今はどうなのだろう……と思っていたが……。
大人気!!!!!
なにこれ!?!?!?
いや本当にめちゃくちゃ大人気じゃないの。正直、子ども向けと思ってなめてました。ごめんなさい。この混雑っぷりを見るに、事前にオンラインチケットを購入しておくのは必須ですね。
開園30分前から行列に並んでいたが、いざ開園したら案外スムーズに進み、入園した。そして園内はそんなに混み合っているわけではなく、一旦入ってしまえば快適。
ただし基本的には屋外なので、夏に行くなら特に熱中症対策がマスト。今回は日傘、モバイル扇風機、たっぷりの飲み物を用意した。
歩くだけでも楽しいレゴランドの世界
まず、「レゴ」というコンセプトが園内のどこでもしっかりしているので、歩くだけでも楽しい。普通の遊園地との違いを一瞬で実感。
全部レゴブロックでできている巨大なイカ。
実際の日本の風景をモチーフにしてレゴブロックで再現した「ミニランド」。これは大阪あたりの風景かな。
これは動かないクルマだけど、乗り込める。スポーツカーに乗ってるおばあさんが白バイに止められているところを撮影。
こちらは大スター女優が囲まれているところ。そういえばこのフィグ(フィギュアの人形)たち、ちょうど5歳児とだいたい同じくらいの背丈なんですね……!
ここまでで分かったレゴランドを楽しむためのコツは、「朝イチで、とにかく行きたいところから行け」ですね。
人気のアトラクションに行きたい場合、まずはお目当ての場所に一旦行ってみよう。レゴランド・ジャパン・リゾートの公式アプリもダウンロードしておけば、順路や待ち時間が確認できて便利。
というのも、後回しにしてしまった夏季限定の「スプラッシュ・パッド」が整理券方式であると知らずに、午後に行ってみたら、ここで遊ぶと帰りの時間に間に合わないことが分かったのだ。先に行っておかなかったのは失敗だった……。
これがスプラッシュ・パッドの様子。最初に行っておけばよかった……。
すごい水しぶき。あー……この水しぶきは楽しそうだねえ……。ごめん息子よ。
まだまだあるオススメのアトラクション&食事
これは「サブマリン・アドベンチャー」。よく遊園地にある、ベルトコンベア式で楽しむアトラクション……かと思いきや、水の中をのぞけるので、本当に潜水艦に乗っている気分になれる!
これは大迫力。大人の自分も楽しかった!
ホンモノの魚とレゴモデルのオブジェクトの共演も。息子は「すげえ、ほら見て!」などと終始興奮してました。
「レゴ・ファクトリー・ツアー」は、その名の通り工場見学。レゴブロックが作られていく様子、意外に勉強になる。帰りにはお土産にオリジナルのブロックがひとつもらえるので、それを目当てに訪れるのも良いかもしれない。
実際に体験できる「ジュニア・ドライビング・スクール」。まさにレゴブロックで作った車のようなミニカートを運転できる。こういうの絶対めちゃめちゃ楽しいよね……。
また、対象年齢が少し上の「ドライビング・スクール」と違い、未就学児(3~5歳)で対応OKなのもうれしい。こういうカートは対象年齢が小学生以上というのがありがちなのだ。なかなかうまい運転ができた息子は、とても満足した様子だった。
ランチは、ハンバーガーショップタイプのレストランで。
食事はオーソドックスなハンバーガーとポテトのセットを……と思っていたら、ポテトがレゴブロック型で楽しい。
LEGOポテト。いろいろなブロックの形をしている
息子はポテトをかじりながら「4ポチからの~3ポチ~」と堪能している(ブロックの突起のことを「ポチ」と呼んでます)。
今回のレゴランド訪問で息子が一番気に入っていたのはこちら、「ビルド・ア・ボート」。レゴブロックでボートの形を作りつつ、家庭では絶対体験できない水路を使ったコースでボートを浮かべたり流したりして楽しめる。
レゴブロックがモチーフというよりレゴそのものを楽しめる、まさにレゴランドかくあるべし、というアトラクション。
ガチ勢の息子の様子はといえば、水に浮いた部品を拾ってきて熱心に組み立てている。そしてオリジナルのボートを実際に水流に乗せて楽しめる。こんなことができる場所はなかなかない。良い遊びができて本当によかった。
「もっと遊びたかった……」と息子は言うが、ここがレゴランドで一番長居した場所だったと思う。
レゴ“ガチ勢”向けのレゴランドのお土産
レゴランドはお土産も楽しい。
こちらが一番大きいお土産屋「ビッグ・ショップ」。レゴランド内にはここの他にも複数お店があり、かつ商品のラインアップも違うので楽しい。何だかんだで、「何か買ってもらえる時」が一番テンションが高くなるのが子どもだ。大人が勝手に考えているよりも子どもはゲンキンなのだ。息子も明らかにワクワクが止まらない様子。
このコップは我が家にあるものを撮影した
ミニフィグ用にはこんなに小さいコップがあるのだが……。
ミニフィグ用コップとお土産に買ったコップ。大きさが全然違う!
そのコップの実物大バージョンを買った。取っ手が特徴的。もちろん実際に使えるし、積み重ねるスタック収納もできる。
そしてガチのレゴ好きだからこそのお土産は、この「ピック・ア・ブリック」。単品のレゴブロックを自由に詰め合わせて買うことができる。
この入れ物にレゴブロック詰め放題!
このシステムは東京・お台場の「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」にもあるが、詰められるブロックは店によって違う。ここレゴランド・ジャパン・リゾートでしか単品買いできないブロックを中心に、ギッチリと詰め込んだ。
園内のスタッフさんで名札にミニフィグを付けている人がいたら、話しかけてそのミニフィグと自分のミニフィグを交換できる(「ミニフィギュアトレード」と呼ぶ)。
トレードするつもりでいくつかミニフィグを持ってきていたので、実際に交換をお願いしてみた。ミニフィグ同士でハイタッチをさせるのがお約束。息子は遠慮がちに「タ~ッチ」と言いつつ、ニコニコしていた。
めいっぱい楽しんだ後、帰途に着く。120%の力を使い果たしてこんこんと眠る息子。
そんなこんなで、レゴランド・ジャパン・リゾートは大人も子どもも心から楽しめる、とても良いテーマパークだと感じた。やっぱり実際に行ってみないと真の楽しさは分からないものだな……。
レゴランド・ジャパン・リゾート
住所:愛知県名古屋市港区金城ふ頭2-2−1
TEL:050-5840-0505
営業時間:10:00~(閉園時間は日によって異なる) 不定休
公式サイト:https://www.legoland.jp/
息子の印象に残った旅の思い出の絵を描いてもらった
1泊2日の名古屋旅から帰ってきた息子に、思い出として絵を描いてみてもらった。果たしてどんなところが印象に残ったのだろう。
これはリニア・鉄道館だ。ドクターイエローが描かれているが、実際の展示車両ではなく、弁当の印象だと思う。
これは記事中で使った写真を見せてあげた、レゴランドの入り口の絵。ロゴもうまく描こうと頑張っている! 「N」の字は難しいよねー。感想を聞いたところ「混んでたのがすごかった」とのこと。
これは水流を使ったアトラクション「ビルド・ア・ボート」だろう。やっぱりここが一番気に入ったようだ。「レゴの世界観のアトラクション」も十分楽しんだが、やはりガチ勢としては「レゴブロックでの組み立て遊びそのもの」を愛していることが伝わってきた。
おわりに
今回、息子に行き先を考えてもらい、印象に残る旅をするために、なるべく旅における主体性、自主性を発揮できるようサポートした。彼にとっては盆と正月、寿司と焼き肉が一緒にやってきたようなゴージャスでてんこ盛りな旅だったが、消化不良の胃もたれはしなかった様子。
実際に、帰宅してからも、ニュースやテレビ番組で名古屋が映ると「あー、レゴランドに行ったね!」と言ったり、漢字しかない地図でもちゃんと名古屋の場所を覚えていたりした。こうかはばつぐんだ!
私自身も、子どもの頃に出かけたいくつかの旅のことを今でも覚えていたりする。
息子にとっても、大人になった後、この旅が少しだけでも記憶に残っているものになったらうれしいなと思う次第だ。
親子2人の記念写真を忘れていたので、最後の最後でパチリと。
文:赤祖父……1980年群馬県生まれ。東京在住。IT系企業に勤めるサラリーマンで2児の父。インターネットで読んだり書いたりするのが趣味。好きな食べ物はヨーグルト、好きな飲み物は飲むヨーグルト。
編集:はてな編集部
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