現地で味わいたい!台湾バナナの魅力
台湾の様々な果物のなかで、誰もが最初に思い浮かべる果物と言えばバナナではないでしょうか?
日本に初めて台湾バナナが運ばれたのは1903年のこと。近年は日本への輸出量が大幅に減少し、高級フルーツになった感がありますが、台湾ではそんな高級品も普段の生活の一部。そして、実は台湾バナナは産地や品種によって様々な味わいがあるのです。台湾に行ってこれを堪能しない手はありません!
だから食べたい!台湾バナナのおいしさ
台湾では日本と比べ驚くほど安い値段で食べられます。何日もかかって船で運ばれる日本のバナナとは味も香りも段違い。バナナ農園に行けば、直売のバナナもあります。現地で食べれば品質は間違いなし。一般のものよりも香りが高く美味といわれる産直バナナを求める旅、というのもいいもしれません。
台湾で色々なバナナを楽しみましょう!
台湾バナナのシーズン
便利商店で売られているバナナ photo by ©M. Yang, 2014
一年中味わえます。春バナナから冬バナナまであり、各時期で味わいが異なります。食感が最もしっかりしているといわれているのは冬バナナ。夏バナナは逆に一番柔らかくなります。風味が最も良いとされているのは冬に開花したものを、春の天気の良い日に収穫した4月ごろのバナナ。その後次第に気温が上がり、雨が多くなるにしたがって味は落ちていくと言われています。また、品種によってはシーズンが限られるので、この場合は時期を狙う必要があります。
どこで台湾バナナを買う?
手軽なのは便利商店(コンビニ)で、1本からでも購入可能です。もう少し安く、ということならスーパーマーケットへ。コンビニよりは品種の選択肢が増え、品質も悪くありません。珍しいバナナや高級品が欲しい方は、デパートや伝統市場に行ってみましょう。
ユニークなバナナがいっぱい!
ご存知の通り台湾バナナとは台湾で収穫されるバナナの総称。台湾では多くの品種が栽培されていますが、ここでは特徴的な品種をいくつかご紹介します。
北蕉
台湾バナナの代表格。日本にも輸出されています。大変古い品種で、清朝乾隆年間(1736〜1795)に華南地方から台湾に持ち込まれたといわれています。本当だとしたら250年以上の歴史を持つことになりますが、いまだに主力品種です。
形はずんぐりしていて短く、バナナの先端はとがりません。特徴は一口食べれば「うん、これ!」という味。バナナらしい強い甘い香りとねっとりとした食感が人気です。
旦蕉(蛋蕉)
タイ原産。たまごのような小さな実と薄い皮が特徴的。別名一口蕉(ひとくちバナナ)。香りは北蕉ほど強くありません。大変甘く、なめらかな食感は北蕉に勝るとも劣らず。生産量は少なく、8月から10月前後にしか出回りません。実が小さいわりに値段が高いのが難点。時期にはデパートや高級フルーツ店に並びます。
旦蕉(蛋蕉)
紅皮蕉
伝統市場などでたまに見かける赤いバナナ。日本ではモラードという名でフィリピン産が売られています。味や香りは北蕉などのバナナとは異なる独特なもの。その赤い姿や酸味、リンゴにも似た香りから蘋果蕉(リンゴバナナ)の異名も。栽培量が少なく、ほかのバナナよりも値段は高め。
Red banana photo by photohuman
李林蕉
果実は北蕉などよりも細長くS字に曲がり、先端がとがっていて判別しやすいです。マレーシア原産ですが、台湾に入った時期は不明。南部の一部で栽培されているのみで、台北では見つけにくいかも。味は酸味が強めで北蕉に及ばないといわれますが、希少なバナナなので見かけたらぜひ食べて確認してみてください。
伝統市場に並んでいた李林蕉。 中央にみえる先端がとがった細いバナナが李林蕉。
南華蕉(芭蕉)
「芭蕉」の名前で売られているのが南華蕉。ですが本当の「芭蕉の実」ではありません。じつはタイなどで生食調理兼用種として有名な品種で、大変太く大きいわりに短くずんぐりむっくり。このバナナの特徴はその食味で、独特の粘りの強いもっちりとした食感。酸味はわずか、バナナ特有の香りはほとんどありません。バナナが苦手な方でもこれならいけるかも?
皮が傷ついて黒く変色しやすいですが、これぐらいが食べごろです。
南華蕉(芭蕉):成熟が進み、皮が黒ずんでいるが、中身は傷みもなくちょうど食べごろ。
高地栽培バナナや有機栽培バナナも
中部の南投県集集(しゅうしゅう)のバナナは山蕉とよばれ、高地栽培バナナとして有名です。小ぶりながら歯ごたえのある肉質と甘味酸味のバランスが絶妙で、一味違ったおいしさ。
また、有機栽培品が味わえるのも産地ならでは。そのほか台南で発見された独自の品種(蜜蕉)など、まだまだ紹介しきれないバナナもたくさん。まさにバナナ王国の名にふさわしい魅力にあふれる台湾。ぜひ現地を訪れて、バナナのおいしさに触れてみてください。
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