イタリア最高峰のスパークリング・ワイン、フランチャコルタを楽しむ旅
北イタリア・ロンバルディア東部で作られているスパークリング・ワイン(スプマンテ)、フランチャコルタ。
最も厳しい規定とされるD.O.C.G認定をクリアしたその品質は非常に高く、多くのイタリア人に愛されています。イタリアのシャンパンとも称えられる、このフランチャコルタを楽しむ旅をご紹介しましょう!
フランチャコルタって、どんなワイン?
photo by Giacomo Carena
フランチャコルタ(Franciacorta)が製造されるのは、北イタリア・ロンバルディアの東部にあるフランチャコルタ地方。フランスのシャンパーニュ地域で造られたスパークリング・ワイン以外は「シャンパン」と名乗れないように、フランチャコルタもこの地域で生産された特別なワインにしか名乗ることが許されていません。
基本的な製造方法はシャンパンと同じ。タンク内で1次発酵させたワインを瓶詰めする際に酵母と糖分を添加し、瓶の中で再度発酵させます(瓶内2次発酵)。この発酵の過程で発生する炭酸ガスがワインに溶け込み、スパークリング・ワインの泡の成分となるのです。
シャンパンとの最も大きな違いは、原料となるブドウの熟成度にあります。フランスのシャンパーニュ地方より南に位置するフランチャコルタ地方は温暖で、ブドウが完全に熟成するため、より深みのある味わいになるのです。リキュールなどを加えて味の調整をする必要がないため、できあがったワインはフルーティーで柔らかく、不必要な重みがないすっきりとした味わいに仕上がります。
また、ブドウの使用品種や瓶内熟成期間などに細かい規定があるのも大きな特徴です。使用されるブドウ品種はシャルドネとピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコの3種類ですが、このうちピノ・ビアンコを使用できるのは全体の50%まで。また、瓶内熟成期間もシャンパンの15ヶ月を超える、18〜60ヶ月とされています。こうした多岐にわたる基準をクリアしてはじめて、フランチャコルタと呼ぶことが許されるのです。
お土産で狙うなら知っておきたい!種類とおすすめ銘柄は?
一言にフランチャコルタと言っても、ブドウの使用割合や製造方法により、いくつかの種類があります。
<フランチャコルタの種類>
フランチャコルタ
シャルドネやピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコを使用してつくられる、最も一般的なワイン。柑橘類や干しイチジク、ヘーゼルナッツ、アーモンドのような香りが特徴的な上品な味わいです。
フランチャコルタ・サテン
瓶内の気圧を5気圧以下に調整した、細かく持続性のある泡立ちが特徴のワイン。ブリュット(Brut)のみで作られるため、辛口のものが多いのも特徴です。
フランチャコルタ・ロゼ
ピノ・ネーロの果皮を入れたまま発酵させた、ほんのりと赤みがかかったロゼタイプのワイン。ピノ・ネーロ100%で作られる場合と、シャルドネやピノ・ビアンコのベースワインをブレンドしてつくられる場合とがあります。
フランチャコルタ・ミッレジマート
単一の収穫年度のブドウだけで作られたワインのこと。ブドウの品質が良く、長期熟成した場合にキュヴェ(収穫年度が表示されていないもの)よりも品質が良くなる年度にのみ製造されます。また、ミッレジマートのなかでもさらに選ばれた極上の品質のものは「リゼルヴァ」と呼ばれ、酵母の澱を入れたまま5年間以上熟成させて作られる貴重品です。
<フランチャコルタのおすすめ銘柄>
カ・デル・ボスコ(Ca’ del Bosco)
フランチャコルタ地方の中心地エルブスコ村に位置する、フランチャコルタを代表するワイナリー。最上級銘柄のアンナマリア・クレメンティは長時間熟成にもかかわらずフレッシュな味わいを残しており、桃や洋梨などの香りを残す一品。フランチャコルタだけでなく、イタリア産スパークリング・ワインのなかでも最高の1本と絶賛されています。
【おすすめ銘柄】
フランチャコルタ・キュヴェ・アンナマリア・クレメンティ・カ・デル・ボスコ
Franciacorta Cuvee Annamaria Clementi Ca’ del Bosco
モンテ・ロッサ(Monte Rossa)
ボルナート村に45ヘクタールのブドウ畑を所有するワイナリー。家族経営で小規模ながらその実力は評価が高く、フランチャコルタのトップワイナリーの一つとして数えられています。品質の高いブドウの選別や熟成樽の導入など、工夫を重ねて作られたカボションは、代表銘柄のひとつ。
【おすすめ銘柄】
カボション・ブリュット・モンテ・ロッソ
Cabochon Brut Monte Rossa
見どころは、やっぱりワイナリーツアー!
せっかく行くなら、実際にワイナリーを見学し、美味しいフランチャコルタのテイスティングを楽しみたいもの。ワイナリーのなかにはツアーを開催し、一般観光客を受け入れているところも多くあります。観光で訪れるなら、ぜひこのワイナリーツアーに参加してみましょう。
各ワイナリーからツアーが開催されていますが、ここではMonteRossa社を例にご紹介します。
料金:20ユーロ
ツアー開催時間:月〜金曜日(1日2回開催) 10:00~/15:00~、 土曜日(1日1回開催)10:30~
※日曜日は毎月第一日曜日のみ開催
※2日前までに要予約、参加者が4人に満たない場合は開催中止になることもあります。
MonteRossa(モンテ・ロッソ)ワイナリーツアー
公式サイト(英語):http://www.monterossa.com/en/eventi_monterossa.html
電話:+39 348 7586948
最高峰のスパークリング・ワインが現地価格で手に入る!
ミラノからのアクセスもよく、ワインが好きな人にとっては最高の旅となるでしょう。日本では数万円することもあるワインが、20ユーロくらいからと現地価格で購入できるのも大きなポイントと言えます。ミラノを訪れるなら、このワインの里にぜひ立ち寄ってみてくださいね。
<フランチャコルタへのアクセス情報>
ミラノ中央駅(Milano Centrale)から最寄駅ロヴァート(Rovato)までは普通列車(Regionale)で約1時間。
ワイナリーまではタクシー利用が一般的。
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