投稿者 : 力也 片岡、投稿日 2018 年 3月18日

美しすぎる長崎の離島、五島列島の楽しみ方

寒いのが苦手な私はせっかく休暇ならば、南の島に行きたいのです。そして、あまり人が多くなく、自然がたっぷり残っている南の島でのんびり旅をしたいと考えており、暇さえあればいい島がないかを探しています。そんな中、観光客があまり多くなく、海が非常に綺麗で、美しい山もあり、食べ物も美味しい……そんな素晴らしい島が日本にもありました、それは五島列島。

「郷に入ったら郷に従え」で、地元の人にオススメしてもらったグルメや、地元の人しか知らない絶景スポットに行ってきたので、紹介していきたいと思います。

素晴らしい島の予感

素晴らしい島の予感

東京から飛行機で福岡を乗り継ぎ、五島列島最大の島、福江島にある福江空港に到着しました。五島列島は大きく分けて2つ、中通り島をはじめとする上五島と、福江島をはじめとする下五島に分けることができます。まずは上五島に行くために、福江港を目指そうとするも、なんと空港なのにタクシーが一台もいません。聞いてみると唯一のバスがもう既に発車してしまっていて、次のバスは数時間後とのこと。いきなり五島列島の洗礼を受けるも、「これは楽しい島かもしれない」と頭の中をよぎりました。空港の前にタクシーが一台も停車していないことなんて、日本全国、世界76カ国旅した私も初体験。旅行者にとって、旅中にストレスに感じることの一つにタクシーの勧誘が激しいことが挙げられるかと思います。が、そもそもタクシーがいない…真逆をいく五島列島は素晴らしい島であることが容易に想像できました。

行き当たりばったりのあてのない旅

行き当たりばったりのあてのない旅

空港からヒッチハイクをするとわずか2台目で島のお兄さんが停車してくれました。経験上の感覚値ですが、ヒッチハイクの成功率は1/200。つまり100倍の優しさを秘めた島なのだろうと早くも五島列島が好きになってきました。福江港からは高速船30分で、上五島の中通島にある奈良尾港に到着しました。高速船を使用するとシャトルバスが迎えにきます。運転手さんに行き先(蛤浜)を告げると、「そこは通過してしまうから手前の病院でおりてタクシーで行くしかないよ」と言われるも、2秒で降りると約束し、蛤浜で降ろしてもらう事に成功。宿まで歩いて行きます。

そこで判明したことが”この島はレンタカーがないと何もできない”ということです。近くでレンタカーを借りて、上五島あてのないドライブ旅行のスタート。とは言っても一つくらい行き先を決めておこうと島の人にオススメを聞くと「ハマンナ」というビーチが最高らしい。そこに行くことだけは決めてあとは自由にドライブをする事に決めました。

まずは腹ごしらえで五島名物の五島うどん地獄炊きを食べたくて、レンタカーショップのお兄さんに紹介してもらった『五島手延うどん協同組合』へ。

五島うどん地獄炊き

地獄炊は熱々のうどんをあご出汁のつけ汁で食べます。コシがある五島うどんと地元産のあご出汁の相性は抜群で、半分くらい食べたところで生卵をといて、そこに出汁と醤油を垂らして、うどんに絡ませるのが五島流の食べ方だそうです。

五島手延うどん協同組合

五島手延うどん協同組合
住所:長崎県 南松浦郡 (1,025.42 km) 新上五島町有川郷428-31
電話番号:0959-42-2655
営業時間:11:00 -  14:30
公式サイト:www.goto-udon.jp
行き方:有川港から車で5分

店員さんが「行くところが決まってないなら若松島に行ってみれば? 何もないけど」と教えてくれました。”何もない”それは私の一番好きなフレーズです。すぐに車に戻り若松島を目指します。

美しすぎる日島と初めての逆ヒッチハイク

グーグルマップで若松島を調べるとその先に小さな島が二つ(漁生浦島と日島)あることが分かったので、若松島ではなく、その先にある「日島」に変更しました。

運転しているとあることに気がつきました。それは日島に近づけば近づくほど、海が綺麗になっていくということです。蛤浜から2時間ほどで日島に到着、その光景がこちら!

美しすぎる日島と初めての逆ヒッチハイク

とにかく海が青いんです。五島列島から帰ってきて、海の美しさを思い返すと日島が最も印象に残っています。

日島を歩いているとお腹が減ってきたので、たまたま出会った漁師のお兄さんに食事ができるところを聞くと「この島にも隣の島にもそんな場所はないよ〜」と教えてくれました。「夜までいるならうちで飯食っていきな〜」と初めて話したばかりの私に言ってくれるあたりからも、この島の人たちの優しさが伝わるかと思います。

中通島を目指して帰ろうと運転していると、おばあさんが車に近寄ってきました。

ヒッチハイク

話を聞くと膝が痛いため家まで送って欲しいとのことです。ヒッチハイクをした体験から、いつか自分も誰かを乗せてあげたいと思っていたのですが、まさか初めての経験が五島列島の日島で90歳のおばあさんを乗せることになるとは、思ってもいませんでした。堂々と「うちまで乗せてくれ」と言えるおばあさんを見て、この島は助け合いで成り立っているのだろうと実感し、さらにこの島が好きになりました。

日島
行き方:有川港から車で2時間
Google Map

地元の人でも知らないプライベートビーチ「ハマンナ」

中通島に戻り、地元の人にオススメされたハマンナへ向かいます。「絶対見過ごすよ」と言われていたので、「そんなことはないだろう」と思いつつもグーグルマップに場所を保存し、注意深く62号線を走っていました。すると案の定通り過ぎてしまい、引き返すもやはりまた通り過ぎてしまいました。それもそのはず、看板や標識は一切なく、「え、こんなところを入って行くの?」といった細い道を入っていきます。それがこちら。

地元の人でも知らないプライベートビーチ「ハマンナ」

なんだか秘密の場所を持ったような気分にさせてくれます。私が行った日は、人は1人もおらず、まさにプライベートビーチ状態です。ついつい美しすぎてボケーっとしていたら、気がついた頃には1時間以上も経過していました。

プライベートビーチ

ハマンナ
行き方:有川港から車で30分。Googleマップで登録していくと便利。見つけるコツがないので、宝探し気分で行ってください。
Google Map

ウユニ塩湖のような景色が見られる遠浅で美しい「高井旅海水浴場」

ウユニ塩湖のような景色が見られる遠浅で美しい「高井旅海水浴場」

宿泊先で、この島に5年間住んでいる方が「蛤浜よりいい場所がある」と教えてくれたのが高井旅海水浴場です。遠浅で波もそこまで強くないので、お子さんがいる方にもオススメですし、何よりボリビアのウユニ塩湖のような鏡張りを見ることができます。ビーチにはコテージとログハウスが併設されているので、ここで夜通し楽しむのも良さそうです。高井旅海水浴場の周りにはレストランなどが少ないので、しばらく滞在する場合は食べ物や飲み物を事前に買って行くことをオススメします。このレストランや商店がないことが、この海水浴場が穏やかで美しいまま残っている大きな理由なのでしょう。

高井旅海水浴場
行き方 有川港から車で1時間
Google Map

夜は有川郷の繁華街でハシゴしよう

一日の運転が疲れたら、夜は五島の美味しいものに癒されに行きましょう。五島列島は周りが海に囲まれているため、海鮮料理が豊富で美味しいです。スーパーで出回っている刺身も採れたてで驚くほど新鮮です。そんな海鮮が美味しい五島列島ですが、牛肉も美味しいのです。それが「五島牛」。出荷数が多くなく知名度は低いですが、その質は黒毛和牛の中でもピカイチと言われており、内閣総理大臣賞まで受賞をしたことのある知る人ぞ知るブランド和牛。これは食べなければと宿泊先のオーナーに焼肉屋さんを聞くと、有川郷にある「侑洪園」をオススメされたので、徒歩で行ってみることに。

侑洪園

出てきたお肉は、赤身とサシのバランスがよく、ほんのり甘みがある上カルビと噛めば噛むほど濃厚な旨味が出てくる上ホルモンです。私は1人焼肉だったので、0.5人前ができるか聞くと快く引き受けてくれました。一人旅の方にもオススメです。

侑洪園
住所:長崎県南松浦郡新上五島町有川郷587
電話番号:0959-42-0012
営業時間:17:00~23:00
行き方有川港から徒歩15分

夜は有川郷の繁華街でハシゴしよう

宿泊先に帰ろうと歩き出すと、辺りに数件営業しているお店があることが判明しました。後に知ったのがこのエリアが上五島一の繁華街のようです。

酒菜

せっかくなのでここでもう一軒ハシゴをしようと入ったお店が「酒菜」。オープン3年のこのお店は漁師さんが営んでいる居酒屋で奥には生簀がいくつも置いてあります。地元の海鮮をいくつか頼むと、気がついたら自分のテーブル席の目の前でオーナーが楽しそうにお酒を飲んでいます。

新鮮な海鮮料理

そして私のグラスがあくと永遠に次のお酒を注いでくれます。つまみも頼んでもいないのに次から次へと新鮮な海鮮料理を提供してくれ、

アワビのステーキ

「東京から来たならこれを食っていきな、お金なんていらないよ」とアワビのステーキまで出してくれたり……結局朝までオーナーと2人で飲み明かしました。五島列島最高!

酒菜
住所:長崎県南松浦郡新上五島町 有川郷2603-1
電話番号:0959-42-3620
営業時間:オーナーの気分
行き方有川港から徒歩15分

地元の人達の憩いの場「ソトノマ」

地元の人達の憩いの場「ソトノマ」

ここからは下五島へ。奈良尾港から高速船で福江港に戻り、そこでレンタカーを借りて西を目指すことに。まずは腹ごしらえということで、地元の方に教えてもらった「ソトノマ」でランチを食べることに。ここは11時と少し早めの時間帯に行ったのですが、地元の方の憩いの場となっているようでほぼ満席状態。

唐揚げと煮物の定食

それもそのはず、750円で出ていた日替わり唐揚げと煮物の定食!(上記写真) ボリューミーで非常に食べ応えがあり、野菜もたっぷりで栄養も満点。おまけに店内はウッド調で撮影などにも使われそうなくらいお洒落で、とても落ち着く。

お店のおばちゃん

写真をパシャパシャ撮ってるとお店のおばちゃんに「どこからきたの?」と笑顔で聞かれたため、「東京です。ご飯めっちゃうまいです」と答えたら「ありがとう。好きなだけお代わりしていいよ」と満面の笑みで言っていただきました。地元で愛されている理由がわかるなぁとしみじみ思いました。

ソトノマ
住所:長崎県五島市堤町1348-1
電話番号:0959-88-9081
営業時間:9:00~21:00
行き方福江港から車で20分

砂浜とは違った良さのある「半泊海岸」

砂浜とは違った良さのある「半泊海岸」

ハマンナの経験を経て、「この島はネットの情報ではなく現地の人にオススメを聞くべき」と感じました。沖縄や九州本土とは違い、多くの観光客が来ているわけではないので、ちょっとコアな情報は掲載されていないのだと思います。そこでフェイスブックの五島列島支援プロジェクト公式コミュニティというグループで「地元の人しか知らない絶景スポットを教えてください」と書き込んだところ、半泊海岸を教えてもらい、早速行こうと「半泊海岸」とカーナビで検索しても出てきません。カーナビに出ない場所というだけで、ワクワクしてしまうのが私です。「半泊」とカーナビで検索したら、半泊教会という候補が出てきたのでネットで検索すると半泊海岸の目の前に半泊教会があることがわかりました。「半泊教会」を目的地に設定し出発します。

ここは砂浜ではなく海岸になっていて砂浜の多い五島列島の海に見慣れていたので、非常に新鮮でした。海は砂浜の方が人気が高いので、半泊海岸は人が少なくのんびりできます。

半泊教会

すぐ後ろには半泊教会があるので、教会で心が洗われた後に静かな海岸でゆっくり過ごすのがオススメの楽しみ方です。
行き方は福江港から162号線を北上していき、途中分かれ道をさらに北上して行くと20分ほどで到着します。カーナビでは半泊海岸と検索しても出ないことがあるので目的地は半泊教会に設定しましょう。

半泊教会
行き方:福江港から車で30分
Google Map

半泊海岸
行き方:半泊教会からすぐ。目の前!

こんな綺麗な砂浜は見たことがない! 巨大な砂浜が美しい「白良ヶ浜」

白良ヶ浜

福江港近くの荒川という港町を目指していると、何やら右側にとんでもなく美しい砂浜を発見しました。通常砂浜の幅は10-30mほどのものが多いですが、ここは感覚的に2-300mほどあるのではないかというほどの広さです。そして周辺には人っ子一人いません。モロッコのメルズーガ砂漠を思い出してしまうほどのスケールの大きな砂浜の先には、透き通ったエメラルドグリーンのオアシスのような海が見えます。数多くの海水浴場がある五島列島ですが、私は間違いなくここの砂浜が一番美しいと感じました。

白良ヶ浜
行き方:福江港から車で1時間
Google Map

映画や撮影でも使用される断崖絶壁にそびえ立つ美しい「大瀬崎灯台」

「大瀬崎灯台」

五島列島に行く前に旅人である友人と飲んでいると「五島列島に行くなら大瀬崎灯台は絶対行ったほうがいい」とオススメをされ、ここだけは島に来る前から絶対に行こうと決めていました。大瀬崎灯台とナビに入力し、たどり着くとそこから30分ほど遊歩道を歩かないと灯台は見えないということが判明しました。この日は気温1度で、大雪且つ台風のように激しい風が吹いているという最悪なコンディションの上「九州だから暖かいだろう」と軽装しか持ってこなかった私は、少し悩みましたが、せっかくここまできたのだからと進むことを決意。進み出すと、意外にも周りが木に囲まれているためか、風はほとんど入って来ず、雪も落ちてきません。その上アップダウンが激しい道をひたすら進む為、最終的には唯一の上着も脱ぐことになったほど。たどり着いた頃には天気も回復しており、この絶景にただ、ただ感動してしまいました。

大瀬崎灯台
行き方:福江港から車で1時間
Google Map

五島を楽しむ秘訣は「ローカルとの融和」

五島を楽しむ秘訣は「ローカルとの融和」

今回ご紹介した旅先はどこもガイドブックの最初のページに載っているような、THE王道な観光地ではありません。それでも様々な思い出を作ることができたのは、島には本当に多くの美しい場所があることと、その中のお気に入りの場所を現地の人たちから伝授してもらったことが大きな理由に挙げられます。島の人は島を心から愛していて、遥々やってきた旅行者に非常に優しく接してくれます。沖縄や屋久島などと比べても、観光客が少ないので、ガイドブックなども十分になく、現地の人が知っている素晴らしい場所の情報が世に出ていません。インターネットやガイドブックは一旦忘れて、現地の人にとっておきの場所を教えてもらうことが、この島を最大限に楽しむ近道になると私は考えます。

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