国内旅行なのに、移動が24時間かかる小笠原諸島とは!
国内旅行なのに、移動が24時間かかる小笠原諸島とは!
皆さん海洋島という言葉を聞いたことはありますか。海洋島とは大陸と接したことがなく、火山活動で海の底から突如現れた島のことを言います。世界でもそう多くなく、ガラパゴス島などがその代表格です。特徴は固有種が多く、珍しい動植物の宝庫ということです。東洋のガラパゴスとも言われる小笠原は日本で唯一の海洋島で、様々な固有種に加え、多くの絶滅危惧種を自然界に保有する島でもあります。それらが評価され、2011年に屋久島、知床、白神山地に次日本で4番目の世界自然遺産に登録されたのは記憶に新しいのではないでしょうか。飛行機やヘリは飛んでおらず、片道24時間かかる船でしか行けません。決してアクセスが良いとは言えない島ですが、だからこそ美しい自然や、見たことのない動植物が残っているはず。そう思い、竹芝桟橋へ向かいました。
24時間なんてあっという間、実は楽しい小笠原までの道のり
小笠原諸島には飛行場がなく、島へ行く方法は小笠原海運が週に一度運行している「おがさわら丸」24時間揺られる以外の方法はありません。緊急時のドクターヘリや、総理大臣や天皇陛下は稀に飛行機を使用できるようですが、一般の方は竹芝桟橋から「おがさわら丸」に乗船し、どこにも止まらず父島へ向かいます。チケットは、電話、インターネットに加えて、竹芝桟橋でも直接購入可能です。私は当日直接購入しましたが、シーズン中は売り切れてしまうこともあるため、事前に予約することをおすすめします。
船の中にはレストランや売店があるので、お腹が減っても問題ありません。
ちなみに売店でのオススメは小笠原の島レモンを使用したレモンサワーです。
また、船には展望ラウンジという共有スペースがあります。島の人たちは船に乗り込むと同時に宴会を始めます。私も一人座っていると「お兄ちゃん一緒に飲もう」とおばさんに誘われ、昼の12時から深夜遅くまで宴会に加えてもらいました。(帰りの便は小笠原出身のおじさんに誘われ、これまた深夜遅くまで飲み明かしました。)やることがないので仕事に打ち込める理想的な環境だなと思っていましたが、結局行きも帰りも一切仕事できませんでした。
また船内レクリエーションなどもあり、到着までに小笠原について勉強をすることもできます。
小笠原に近づくと、海鳥の群れを見る音ができます。どの海鳥もなぜか船と並走するように飛び、まるで私たちを歓迎しているかのようです。
お酒を飲んだり、ぼーっと景色を見たりしていると、24時間なんてあっという間。小笠原の入り口父島に到着しました。
行ってわかった!小笠原の楽しみ方
着いたらまずは南島へ行く船を予約しよう
小笠原に絶対に行くべき場所、それは誰もが口を揃えて南島と言います。島への上陸は1日100人、上陸時間は2時間、ガイド必須と厳しく制限されている上、予約はすぐに埋まってしまいます。ですが天気の変わりやすい小笠原であらかじめ予約しておくのもリスク。よって着いたら急いで予約に走るのが吉だと私は思います。私はそんなことを知らずにもたもた下船をし、小笠原観光に予約に行くとなんと最後の1人でした。なので着いて真っ先に走ればその日の予約は取れるかと思います。心配な方は、インターネットでツアーの残り数を確認できます。
http://www.ogasawaramura.com/play/sea/dolphin.html
予約をしたらツアーの時間まで目の前の売店でパッションフルーツジュースでも飲みながら小笠原旅行の計画を練るのも良いかもしれません。トロピカルな味わいで、小笠原にやって来たことを実感し、一気に南国モード全開に。
南島は独自の厳しい制限が功をなして美しい自然が手をつけられずに残っています。それは上陸する前には寄生虫などを島に運ばないために、全員塩水で靴を洗わなくてはならないほど。よって父島などと異なり、外来種もほとんど入って来ていません。驚くことにビーチにはなんと1000-2000年前に絶滅したヒロベソカタマイマイの化石があたり一面に落ちているおり、これほど「手つかず」という言葉が似合う島を他に思い浮かびません。
南島の頂上まで登ると、向かいには父島が見えます。オレンジ色に見えるのはハートロックです。ちょっと無理矢理感も……
基本的には南島行きのツアーはドルフィンツアーとセットになっています。泳ぎ位自信がある方は船から飛び込みシュノーケリングを楽しむことができます。
この辺りは本当に海が綺麗で、美しい魚たちと泳ぐことができます。
運良く私はイルカの群れと泳ぐこともできました。イルカと泳いだのはアフリカのザンジバル以来2度目ですが、これほど多くのイルカに囲まれて泳いだのは初めてで感動しました。
バイクを借りて島中を回ろう
ツアーもいいけど自由な旅も捨てられない。そんな方はバイクを借りてみましょう。島にはバスが運行していますが、ダイヤは1時間に1本ほど。タクシーは父島にたったの1台。よって自由な旅にレンタカーやレンタバイクは必須です。どうせ南国にきたのなら少しでもこの気持ち良い風を感じたいと思い私はバイクを借りました。バイクで島中をめぐっておすすめの2か所をご紹介します。
シュノーケリングを楽しみに宮之浜へ
島の人に「どこで一番魚を観れるか」と聞くと皆「釣浜」と答えます。しかし釣浜は波が早く、島の人でも危険というのでシュノーケリングをするならその隣の宮之浜がオススメです。ここは釣り浜の波が嘘のように静かで落ち着いたビーチです。
ビーチサイドには無料で使えるテラスのような席もあるので、ただのんびりすることもできます。またすぐ隣に釣り浜の方まで歩くことができる遊歩道もあります。
ゴミひとつ落ちていない林道は、自然の香りがして気持ちよく、また遊歩道の頂上から見る宮之浜も絶景です。
崖沿いにできた遊歩道はアップダウンが激しいので、ここを最初に歩いて汗をかいてから、宮乃浜の海に飛び込むなんて言うのも最高だと思います。
宮乃浜
住所 東京都小笠原村父島宮の浜
市街地からバイクで5分
ビーチを眺めながらのんびりするなら堺浦海岸
何も海は泳ぐためだけのものではありません。波の音を聞きながらボケーっとのんびり眺めるのも海の楽しみ方のひとつです。そんな時は堺浦海岸がオススメです。ここは小笠原に数多く存在するシュノーケリングやダイビングのツアーなどに使われないビーチで、人っ子一人いませんでした。この晴天でこの美しいビーチに人がいないだなんてちょっと考えられませんよね。
そしてここのビーチが好きなもう一つの理由がこの休憩所。高級ホテルのプライベートビーチと錯覚しそうですがもちろん使用料は無料。私は完全に時間を忘れて気がついたら2時間ほどのんびりしてしまいました。そして驚くことに水道の蛇口をひねるとまっ茶色の水が。最初の数秒だけかなと思いきや、数分立ってもその色は変わりません。ここ最近では、フィリピンの秘境「エルニド」以来です。そんな整備されていない感が私にとってはたまらないのです。
堺浦海岸
東京都小笠原村父島堺浦海岸
市街地からバイクで15分
夜も目一杯満喫できるのが小笠原
夜はナイトツアーに参加しよう
夜になったら市街地を除くほとんどのエリアが真っ暗になってしまう小笠原。何度も小笠原に来ている人ならまだしも、この暗さの中自力で旅を続けるのは少し困難。そんな時はナイトツアーに参加してみましょう。
小笠原の夜と動物の習性の詳しいガイドさんに連れられるとこんな珍しい「オガサワラオオコウモリ」に会えることも。彼らは絶滅危惧種に指定されており、このナイトツアーでも見ることは難しいとのこと。
ナイトツアーはその他にも、ヤドカリや星の観測スポット、光るきのこに、ウミガメなど都会では見れない珍しいものを見つけることができます。ただ基本的に団体行動のため、納得いくまで写真が撮りたい方や、どうしてもコウモリやウミガメなどが観られるまで粘りたいという方は、個人的にくる必要がありそうです。
自力で満点の星空を見に行こう
小笠原は日本でも有数の星が綺麗な島として有名です。基本的に晴れていれば、いつでも美しい星空を見ることができます。その際注意すべきなのは、月の大きさと月が出てくるタイミングです。月は明るいので、星をくっきり見るには月が無い時がベストです。私が行った際は半月の時期だったので、太陽が完全に沈み、月が出てくるまでの間をねらい街灯のない小湊海岸へバイクを走らせました。風が強すぎて納得の写真は撮れなかったのですが、自分一人だったので時間を気にせず星を眺めることができました。このようなことはツアーなどでは難しく、少しでも綺麗な星を見たい方や、気が済むまで星を眺めたい方はやはりバイクか車を借りておくことをお勧めします。
そして幸運なことに帰り際にウミガメにも会うことができました。ナイトツアーで見られなかっただけに、テンションが上がります。
小湊海岸
東京都小笠原村父島
市街地からバイクで20分
ツアーと自由時間のバランスが大切
「小笠原はツアーじゃないと楽しめない」これはガイドブック、インターネット、船で出会った人たち皆が口を揃えて言います。確かに南島のようにツアーでないと入れない場所も多いので納得です。しかしだからこそほとんどの観光客はツアーに申し込むため、その逆を行くと美しいビーチが貸切状態になったり
自分が納得をいくまで星を眺められたり、偶然ウミガメに会うことだってできるわけです。ツアーと自由時間のバランスをうまく取ることで、小笠原を存分に満喫してみてください。
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