投稿者 : 鈴木 圭、投稿日 2017 年 2月11日

人生観が変わる!?インド一人旅のための旅行計画、どうやって立てる?

「ハマる人は何度でも行きたくなる、ダメな人は二度と行きたくないと言う」
インド旅行に興味のある人なら、一度はこんなフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか。同じ国のはずなのに、人によってこんなにも極端に感じ方が変わる国も珍しいもの。インド旅行から帰ってきた人から聞くエピソードは強烈なものも多く、日本では決して味わえない体験ができるとして、コアな人気を集める旅行先でもあります。

今回は、インドを初めて一人旅するために知っておきたい予備知識をまとめてみました。

まずは知っておきたい、インドの治安はどうなの?

まずは知っておきたい、インドの治安はどうなの?

どこへ行く場合もそうですが、海外旅行で心配なのはやっぱり治安です。特に最近は女性の暴行事件などインドにとって不名誉なニュースも多いだけに、一人旅に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。実際、私も「インドって安全なの?」と聞かれることがよくあるのですが、そんな時はこう答えることにしています。

「思った以上に安全な国、だけど日本の常識は通じない」

北インドのカシミール地方など、一部では情勢が不安定な地域もありますが、旅行者が訪れるような大都市や有名観光地は落ち着いており、テロや暴動の心配をする必要はほぼありません。また、昼間に街中を歩いているぶんには、強盗や誘拐といった命に関わるような犯罪に出くわすこともまずないと言っていいでしょう。インド人の多くは気難しいですが親切で、道を教えてくれたりバスに乗るのを手伝ってくれたりと、多くの場面であなたの旅を助けてくれるはず。

ただ、一部ではぼったくりや詐欺、盗難などの被害にあったという話も聞くため、日本のように安全な国とは考えないほうがいいでしょう。例えば、相場が100ルピー程度の商品を500ルピーだといってふっかけられるのはよくある話。中には、鉄道のチケットを買いに行った人が「チケットオフィスは閉まっている」と言われて旅行代理店のオフィスに連れていかれ、移動のためだけに高額なツアーを組まされてしまったという例もあります。

こうした被害を避けるためには、「いい店がある」「街を案内してあげる」などのように知らない人に声をかけられてもついていかないこと。しつこく付きまとわられても、はっきりと「NO」を告げることが大切です(このあたりは、日本でも同じことが言えるでしょう)。また、ぼったくりや詐欺などの犯罪にはパターンがあるので、事前に情報を仕入れておくのも有効な回避手段です。

参考:インドについての海外安全情報(危険情報)の発出 (外務省海外安全ホームページ)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2016T126.html#ad-image-0

実は旅行しやすい交通大国?移動は鉄道が便利!

実は旅行しやすい交通大国?移動は鉄道が便利!

インド旅行は過酷なイメージがありますが、国内全域が鉄道で結ばれており、実際はとても移動しやすい国です。デリーやコルカタ、ムンバイなどの大都市はもちろん、タージ・マハルのあるアグラやエローラ石窟寺院群のあるアウランガバードなど、主要な世界遺産のある都市もほとんど鉄道が通っているので、移動に困ることはないでしょう。

座席のクラスは以下のように分かれています。乗車時間やその時の体調、季節に合わせて選ぶようにするといいでしょう。(列車により、設定がないクラスもあります)

ファーストクラス(AC1:First Class AC):
2人または4人のコンパートメント。部屋は鍵がかけられ、洗面台も用意されている。寝台は2段、エアコン付き。

2等ベンチシート(AC2:2 tier AC):
昼間はベンチ席、夜間は寝台になるベンチシート。空間はコンパートメントではなく、カーテンで仕切る。寝台は2段、エアコン付き。枕とシーツが支給される。

3等ベンチシート(AC3:3 tier AC):
2等ベンチシートと似ているが、寝台が3段になるため少し混雑している。仕切りカーテンなし、エアコン付き。枕とシーツが支給される。

エアコンなしファーストクラス(FC:First Class):
コンパートメントのつくりはファーストクラスと変わらないが、エアコンがない。ほとんどが2等ベンチシートへ変換されたため、最近ではほとんど見かけない。

スリーパークラス(SL:Sleeper Class):
インドの長距離移動で最も一般的に使用されるクラス。寝台は3段でエアコンなし、ファンあり。枕とシーツの支給もないため、自分で寝袋などを持ち込む必要がある。

シートクラス(ACC:AC Chair class):
日本の新幹線のようなリクライニング式のシート席。昼間に運行する列車でよく設定されているクラス。エアコン付き。

エグゼクティブシートクラス(EC:Executive Chair):
シートクラスとあまり変わらないが、座席が少しゆったりしている。短距離区間を結ぶシャタブディ・エクスプレスのみの設定。

セカンドクラス(II :General):
寝台にならない硬いベンチシート席。予約不要のため車内はいつも混雑しており、乗車時間が長いとかなり過酷な旅になることも。一度は体験してみたい!?

この中で、セカンドクラス以外は前日までに駅構内のチケットオフィスや旅行会社などを通して予約する必要があります。デリーやコルカタなど大都市なら、外国人専用のチケットオフィスもあるので、そちらを利用してもいいでしょう。

インドは広い!オススメのルートは?

インドは広い!オススメのルートは?

インドは日本の約8.7倍の面積があり、見どころも国内各地に点在しています。移動にも時間がかかるため、事前にしっかりとルートを決めておく必要があります。滞在期間に合わせてモデルルートを作成してみたので、旅行計画の参考にしてみてください。

定番の北インドルート(7〜10日間)

タージ・マハルやガンジス川など、定番の観光地をバランスよく短期間で回ることができるルート。初めてのインド旅や、時間があまり取れない人におすすめ。

ルート:デリーアグラバラナシコルカタ

西インド砂漠旅ルート(14〜20日間)

上記定番の観光地に加え、エキゾチックな西部ラジャスターン州の観光も楽しめるルート。ジャイサルメールではラクダに乗って砂漠ツアーを楽しむこともできます。

ルート:デリージョードプルジャイサルメールジャイプルアグラバラナシコルカタ

南インド周遊ルート(20〜30日間)

人が穏やかで旅行しやすいと言われる南インドを周遊するルート。アーユルベーダやのんびりとした南インドのビーチをたっぷりと楽しみたい人へ。アウランガバードからムンバイではなくデリーに移動すれば、そのまま北インドルートを加えることもできます。

ルート:ムンバイゴアトリヴァンドラムカーニャクマリチェンナイアウランガバードムンバイ

生水や生野菜はやっぱりアウト?知っておきたい食事の注意点

生水や生野菜はやっぱりアウト?知っておきたい食事の注意点

インド旅行では食事も気になる事柄のひとつ。日本でも食べられるようないわゆる「インドカレー」以外にも、サモサやパコラのようなストリートフード、マサラ・ドーサやマニ・プーリーのような軽食などさまざまな料理があり、滞在中は何を食べようか毎日目移りすることになるでしょう。

これらの料理は美味しいものばかりですが、脂分やスパイスの効いているものが多く、それが体に合わず下痢をしてしまう人もいます。体調があまり良くないと感じたときは無理をせず、ナンやチャパティなどパンだけを食べたり、日本料理店や中華料理店などを探したりするのもひとつの方法です。

また、日本と比べて衛生状態がよくない場所も多いので、生水、生野菜などにも注意が必要です。脂分が多くスパイスの利いたインド料理を食べていると、さっぱりしたサラダが恋しくなることもあります。このあたりは個人の判断にもよりますが、タンクにたまった不衛生な水で野菜が洗われていたり、ひどい場合は水道に下水が混じっていたりするようなケースもあります。短期旅行のように時間的な余裕がない場合は、やはり生野菜は避けたほうがいいでしょう。

これだけは準備したい!インドで必須の持ち物とは?

これだけは準備したい!インドで必須の持ち物とは?

インド旅行だからといって、ことさら特殊な持ち物を用意する必要はありませんが、日本から持っていって役に立ったと感じたものを紹介させていただきます。ぜひ荷物の準備の参考にしてみてください。

チェーンロック:電車に乗って移動中にトイレに行く場合や、ホテルに荷物を置いておく際の防犯用として便利。自転車用のものは重くて持ち運びが大変なので、ケーブルが細くて長い、バックパック用のものを選ぶといいでしょう。

布:インドのホテルではファンが強く回りすぎて寒かったり、ベッドがあまり清潔でなかったりする場合があります。そんな時に大判の布が1枚あるとシーツにもかけ布団代わりにもなり便利。薄手のものなら、汚れてもすぐ洗って乾かすことができます。

粉末スポーツドリンク:下痢をした際の水分補給用に便利。インドでも同じような商品が売られていますが、塩気が強く飲みにくいと感じる人もいるかもしれません。体調をくずした際は、やはり飲みなれた味のものがほっとします。

虫刺され薬:宿泊するホテルにもよりますが、バックパッカーが好んで泊まるような安宿ではベッドにダニや南京虫が住み着いていることも……。塗った時にひんやりと清涼感を感じるような薬は海外ではあまり見かけないので、日本から持っていくことをおすすめします。

これも準備の一つ、予防接種も忘れないで!

これも準備の一つ、予防接種も忘れないで!

インドを旅行していると、日本では聞き慣れないような感染症にかかることも珍しくありません。特に腸チフスやA型肝炎といった消化器系の感染症は旅行者がかかりやすく、事前にワクチンを打つなどしっかりと準備をしておくことをおすすめします。

具体的にどのような予防接種をするかは、旅のスタイルや行き先などを医師に伝えて相談することになりますが、在インド日本大使館が接種を望ましいとしているワクチンを確認の上、旅行計画を立てましょう(推奨される予防接種については、専門家によって意見が異なる場合があります)。

インド赴任・旅行前に受けておきたい予防接種
http://www.in.emb-japan.go.jp/Japanese/Medical_New/vaccines2.html

インド最大の魅力は、日本では到底できない体験ができること

インドはただ文化や気候が異なるというだけでなく、犯罪や感染症など注意すべきことが多いため、思った以上にハードな旅になるでしょう。時には嫌な思いをして「今すぐ日本に帰りたい!」と思うこともあるかもしれません。そういう意味では、誰にとっても「絶対オススメ!」とは言い切れない旅行先でもあります。

ただ、その「日本では到底できない体験」がインドの最大の魅力であり、繰り返しインドを訪れる人は、その体験に魅せられているように思います。

この記事を読んでいるあなたが「ハマる人」になるのか「二度と行きたくない人」になるのかはわかりません。ただ、少しでも素敵な体験にするためにも、旅行前にはしっかりと準備をしておくことをおすすめします。この記事が、その参考になれば嬉しいです!

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