レノン高原鉄道に揺られてのんびり、ボルツァーノを起点にドロミテの里山を歩いてみよう
イタリアとオーストリアの国境付近に位置するボルツァーノは、ドロミテ山塊の観光拠点として多くのハイカーが集まる街です。実はこのボルツァーノにはいくつかのロープウェイが発着しており、簡単に周辺の里山へアクセスできることをご存知でしょうか。今回の記事では、このロープウェイを利用して気軽にドロミテの里山を楽しむ旅をご紹介します。
体力に自信がなくても、手軽にドロミテを楽しめる
ユネスコの自然遺産の一つとして登録されているドロミテ山塊。険しい岩山に彩られたその光景は絶景と呼ぶにふさわしく、山歩きに興味があるなら一度は訪れてみたいと思う場所でしょう。
そびえる岩山と緑のコントラストは独特の美しさがある
観光地としても間違いなくおすすめではあるのですが、その反面アクセスはちょっと険しく、山歩きに慣れた人でないと気が引けてしまうかもしれません。
目的地によっては数時間山道を歩くことになり、相応の準備も必要になります。そのため、日本からイタリア観光に来たついでにちょっと立ち寄る……とはいかないのが悩ましいところです。
イタリアでも随一の景勝地と言われるドロミテに行ってみたいけど、山歩きはちょっと自信がない。そんな人にぜひおすすめしたいのが、ロープウェイを利用した里山歩きです。ボルツァーノからは現在コッレのロープウェイ、レノンのロープウェイ、サン・ジェネジオのロープウェイの3つが運行しており、標高1000〜1400メートルの高地へ簡単にアクセスできます。
ロープウェイで一気に1000メートルほど上る
ロープウェイで上がった先には小さな町があり、そこを起点に里山の散策を楽しむことができます。ハイキングルートも整備されており、地図やルート標識には所要時間も表記されているので、初心者でも安心して歩けるでしょう。
ボルツァーノ周辺には無数のハイキングルートがある
また、ボルツァーノのあるアルト・アディジェ地方はサイクリストが旅行しやすい環境づくりにも力を入れており、バスや電車はもちろん、ロープウェイにも自転車をそのまま載せることができます。つまり、ボルツァーノ市内で自転車を借りて、そのままドロミテの里山をサイクリングすることも可能。もちろん、日本から自分の自転車を持ち込んでサイクリングするのもいいと思います。
こんな感じで、その人の体力や趣味に合わせていろいろな楽しみ方ができるのがボルツァーノの里山の魅力です。山歩きの経験がない人でも十分楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください。
レノン高原鉄道に揺られて、気軽に山歩きを
ボルツァーノを起点に周囲の里山を散策するコースはいくつかありますが、おすすめはレノン高原鉄道に乗ってレノンの土柱へ至るルートです。半日もあれば十分回れるので、街を観光する合間にも気軽に楽しむことができます。
レノンのロープウェイに乗ってソプラ・ボルツァーノへ
レノンの土柱へ行くには、まずボルツァーノ市内からロープウェイに乗ってソプラ・ボルツァーノを目指しましょう。鉄道駅から北へ10分ほど歩くと、黒いガラス張りのロープウェイ乗り場が見えてきます。
観光用途はもちろん、高地に暮らす人々の生活の足でもあるロープウェイ
レノンのケーブルカー(Funivia del Renon)
料金:片道6ユーロ、往復10ユーロ(アルト・アディジェ地方の公共交通機関が乗り放題になるモバイルカードも使用可能)
運行時間:月〜土曜6:30〜22:45、日曜7:10〜22:45
所要時間:約12分
ソプラ・ボルツァーノからレノン高原鉄道に乗ってコッラルボへ
ロープウェイに乗ってソプラ・ボルツァーノについたら、乗り場の目の前にある駅からレノン高原鉄道に乗り換えます。30分おきに発車しているので、電車が到着していない場合はソプラ・ボルツァーノの街を散策しながら待つのもいいでしょう。駅前の広場にはスーパーやカフェもあります。
レノン高原鉄道の駅はロープウェイ乗り場のすぐ前
レノン高原鉄道は2両編成の小さな電車で、人が走るくらいのスピードでゆっくりと運行しています。いくつかの駅に停車しますが、もし気に入った場所があれば途中下車して周囲を散策するのもおすすめです。
のんびりとした田舎を彷彿とさせる鉄道駅
レノン高原鉄道(Treno storico del Renon)
料金:片道3.50ユーロ、往復6ユーロ(モバイルカードも使用可能)
運行時間:ソプラ・ボルツァーノ発9:40〜18:40、コッラルボ発10:10〜19:10
所要時間:約18分
コッラルボの街中を経由してレノンの土柱へ
レノン高原鉄道に乗ってコッラルボに到着したら、いよいよ里山歩きの開始です。とはいえ、目的地であるレノンの土柱は歩いて30分ほどの距離なのでご心配なく。駅舎を出ると、ルートにそって標識が立てられているので、それにそって進んでいきましょう。
レノンの土柱へは下から2番目の「PIRAMIDI DI TERRA」に沿って進む
道路上にはレノンの土柱のイラストが描かれていて、これを目印に進むのもいい
途中、コッラルボの街中を通過しさらに奥へ進んでいくと、ドロミテの山群が見えてきます。ここまで来れば目的地まではあと少し。岩塊を眺めつつそのまま進んでいくと、レノンの土柱が見られる展望台へたどり着きます。
こちらが展望台、遠くにはドロミテの山々も見える
ちなみにこちらの写真がレノンの土柱です。もともとこの場所は全体が土の中に埋まっていましたが、長い年月をかけて雨や風に侵食された結果このような光景が作られたのだとか。世界中にはさまざまな奇景がありますが、間違いなくそのひとつと言えるでしょう。
土柱の上の岩石は人為的なものでなく、雨や風に侵食された結果によるもの
手軽とはいえ里山歩き、必要な準備はある?
里山歩きをする場所にもよりますが、今回紹介したレノンの土柱へのルートに関していえば、歩く道のほとんどはアスファルトで街にも近いため、特別な準備は必要ありません。季節に合わせた格好とスニーカー程度で十分でしょう。ただ、ロープウェイに乗って1000メートルほど上がるため、夏でもパーカーなど軽く羽織れるものを用意しておくことをおすすめします。
レノンの土柱へはコッラルボの駅から往復1時間程度ですが、もし途中で疲れを感じた場合は、ルート上に何カ所かあるバス停からエスケープすることもできます。バスに乗って近くの街やボルツァーノへ直接帰ることもできるので、特に体力に不安のある人は覚えておくといいでしょう。
ボルツァーノへ直接帰る場合は165番のバスを利用する
ドロミテの美しい風景を手軽に楽しめる
ボルツァーノを起点とした里山歩きの魅力は、なんといってもその手軽さにあります。ロープウェイで高地まで一気に上り、あとは周辺の気になった場所を散策するだけ。事前に特別な準備も必要ないので、街を観光する感覚で気軽に歩くことができます。長時間山歩きをするのは自信がないという人でもドロミテの美しい風景を楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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