“ムンクの叫び”誕生の地オスロで、ムンクどっぷりの美術館&ゆかりスポット巡り
ムンクの『叫び』……と聞いただけで誰でもきっと、あの独特な顔とポーズが目に浮かびますよね。
2012年にニューヨークのオークションで史上最高額で落札されたというニュースを記憶している方もあるかもしれません。
ノルウェーの首都オスロには、有名な『叫び』をはじめとしたムンクの作品が展示されている美術館や、ムンクゆかりのスポットがいっぱい。ムンクの足跡をたどることで、同時にオスロの素敵な場所も満喫できるのです!
まずは“ムンクの叫び”を予習。オスロには4枚の『叫び』がある!
写真は、ムンク美術館のミュージアムショップで購入したスマホケース。まずは、こちらを見ながらムンクの『叫び』について簡単に予習をしておきましょう。
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[one_half_last]『叫 び(英語名:The Scream)』は、ノルウェーの誇る芸術家エドヴァルド・ムンク(1863~1944)の作品。
絵の中の男性が叫んでいるように誤解されがちですが、こ の作品は自然をつんざく得体のしれない叫びに慄いて「耳をふさいでいる様子」を描いているんです。[/one_half_last]
『叫び』が最初に描かれたのは1893年、ムンクが30歳のときのこと。オスロ市内にあるエーケベルグの丘での不思議な体験がモチーフになっているそうです。実は『叫び』は油彩、パステル、リトグラフ……と画材をかえてその後も描かれ、世界に5点あると言われています。
そのうちオスロでは、国立美術館が油彩、ムンク美術館が油彩とパステル画、リトグラフを所蔵(ちなみに、オークションで高額をつけたのは個人蔵のパステル画)。上のスマホケースになっているのは、ムンク美術館の油彩バージョンです。
見比べてみるとそれぞれ違った味わいがあるので、ぜひ両方の美術館を訪れてみたいですね(ただし時期によって展示が変わり、必ずしもすべての『叫び』が見られるわけではないのでご注意を)。
国立美術館の“ムンクの部屋”で『叫び』とご対面
まずは1893年の油彩の『叫び』が展示されている国立美術館へ。
国立美術館は、市内中心部、カール・ヨハン通りや王宮からほど近いレンガ造りの堂々とした建物で1836年に創設されたものだそう。ムンクの作品はすべて“ムンクの部屋”に展示されています。
Photo by VISITOSLO/Knut Øystein Nerdrum©National Museum of art, architecture and design
念願の『叫び』は……さすがの迫力! まがまがしく感じられる色合いにダイナミックな描線、耳を押さえた男からは不安感がほとばしっているようです。
そのほか『マドンナ』『メランコリー』『生命のダンス』など、ムンク作品の数々をじっくり鑑賞。いずれも死や孤独の気配が濃厚で、人生の重さが胸にのしかかってくるような凄みがあります。ムンクは5歳のときに母、13歳のときに姉を亡くし、本人も病弱で鬱を患ったそうです。独特な作風には、そういった生い立ちも影響しているんですね。
もちろん国立美術館の見どころはムンクだけじゃありません。ゴッホ、ピカソ、モネ、ルノワール、モディリアーニなど近代ヨーロッパの有名画家たちの作品も所蔵。充実しているノルウェー人画家の作品群からは、美しくも厳しい自然と、そこで力強く生きてきた人々の生活が伝わってきます。
国立美術館(Nasjonalgalleriet)
住所:Universitetsgata 13, Oslo
開館時間:火・水・金曜10:00~18:00 木曜10:00~19:00 土・日曜11:00~17:00
休:月曜
入館料:大人100NOK 学生・シニア50NOK 子供(18歳以下)無料 ※木曜無料
公式サイト(英語):http://www.nasjonalmuseet.no/en/
『叫び』ケーキや『叫び』グッズも充実、ムンク美術館
続いてムンクの世界にどっぷり浸かれる、ムンク三昧のムンク美術館へ。
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ムンク美術館があるのは郊外のトイエン地区。地下鉄で簡単にアクセスできます。約1100点の絵画、約18000点の版画、そのほか日記や手紙、写真など幅広い収蔵品を有しています。
Photo by VISITOSLO/Munchmuseet
ここには『叫び』の油彩、パステル画、リトグラフが所蔵されています。展示は時期によって変わりますが、もちろんムンク尽くし! 街の風景や自然の美しさを描いたものも多く、ムンクが実際に使っていたパレットなどゆかりの品々もあって、じっくり眺めているとだんだんムンクに愛着がわいてきます。自画像や写真を見るとけっこう男前だし!
併設のカフェの人気は『叫び』ケーキ
さて併設のカフェで人気なのが『叫び』ケーキ!
『叫び』の絵のチョコレートプレートが載っていてユーモラス! そのときどきでチョコケーキ、フルーツケーキなど、いろいろな種類の中から選べます。やさしい甘さに、美術館巡りで疲れた身体が癒されていくよう。
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サンドイッチやサラダなどの軽食もあり、晴れた日には緑まぶしいテラス席がかなり気持ちよくておすすめです。
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『叫び』グッズが充実しているミュージアムショップも要チェック
ムンク美術館はミュージアムショップも充実しています。
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やはり『叫び』グッズは人気のようでTシャツ、トートバッグ、マグカップ、スマホケースなど豊富な品ぞろえ。おすすめをショップスタッフに訊いたところ、デミタスカップ&ソーサーという答えでした。個性的なグッズは間違いなく注目を浴びるので、自分にはもちろん友達や家族へのお土産にもよさそうです。
私が気に入ったのは、ムンクの姉がかわいがっていた小鳥のポリーをモデルにした縫いぐるみ。あまりムンクっぽくはないけど……かわいいから!
ムンク美術館では、幅広い作品や関連品にまとめて触れられるので、個性的なムンクの魅力をより深く理解できます。
ムンク美術館(Munch Museet)
住所:Tøyengata 53, Oslo
開館時間:水~日曜10:00~16:00(2016年6月18日~9月25日は10:00~17:00)
休み:火曜(2016年6月18日~9月25日は無休)
入館料:大人100NOK 学生・シニア60NOK 子供(18歳以下)無料
公式サイト(英語):http://munchmuseet.no/en/
意外! 『叫び』の舞台はすがすがしい展望スポットだった
オスロ中央駅からトラムに乗って約10分、風光明媚なエーケベルグの丘へ行きましょう。
ここから見えるのは、なだらかなオスロフィヨルドに海と島が織り成すパノラマ、オスロ市の全景、再開発が進められている海沿いのエリアにはユニークな建物群も。ムンクはここで『叫び』の着想を得たといい、道路沿いには記念プレートもあります。
ここで異常な体験をしたムンクは、「僕はそこに立ち止まったまま不安に身を震わせた。その時、自然を貫く大きな終わりのない『叫び』を感じた」と残しています。
『叫び』の背景と同じ構図に見える場所もあるので、ぜひ絵の中の男のように耳をふさいだ迫真のポーズをとって、記念撮影してくださいね!
泥酔ムンクが追い出されたという「エンゲブレット・カフェ」
ムンクどっぷりの旅はまだまだ続きます。続いては、ムンクをはじめ、劇作家イプセンや作曲家グリーグなど、名だたる芸術家たちがひいきにしてきたという「エンゲブレット・カフェ(Engebret Café)」。
Photo by VISITOSLO/Sabine Zoller
創業1857年の老舗で、トナカイ肉やサーモンなどノルウェー伝統料理を味わえるカフェレストランです。クラシックな建物や内装が素敵!
この店に残っているムンクのエピソードに、泥酔状態で手に負えなくなったムンクを店主が追い出し、後日ムンクが抗議の手紙を送ってきた、というものがあり、その手紙のコピーはレストランの壁に飾られています。
有名人になると醜態が後の世まで伝えられ、観光スポットになったりもするんですねぇ……気をつけたいものです。
エンゲブレット・カフェ(Engebret Café)
住所:Bankplassen 1, Oslo
営業時間:月~金曜11:30~23:00 土曜17:00~23:00
休み:日曜
公式サイト(ノルウェー語):http://engebret-cafe.no/
おしゃれ地区グリューネルロッカにもムンクゆかりのカフェが
アーティストや若者が集まるグリューネルロッカ地区は、おしゃれなカフェや雑貨店が多くて、そぞろ歩くだけでも楽しいエリア。ここには、かつてムンクが住んでいた建物があります。
建物内にある「エドヴァルド・カフェバー(Edvards Kaffebar)」は、壁一面に『叫び』の絵が描かれていてインパクト大! カジュアルな雰囲気の中、サンドイッチや菓子パン、コーヒーなどで休憩できます。
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エドヴァルド・カフェバー(Edvards Kaffebar)
住所:Schous Plass 1, Oslo
営業時間:月~金曜7:00~19:00 土曜9:00~18:00 日曜10:00~18:00
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今回紹介したスポットは、1日で回ることも可能です(美術館はちょっと急ぎ足になるかもしれませんが)。唯一無二の画家、ムンクを堪能してくださいね。
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Cover photo by VISITOSLO/Munchmuseet
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