シンガポールに今も残る華やかなプラナカン文化を堪能できるレストラン「トゥルー ブルー キュイジーヌ」
高層ビルが建ち並ぶ近代都市国家のイメージが強いシンガポールですが、街のあちらこちらには、数百年前に繁栄したプラナカン文化が今も色濃く残されています。
今回はプラナカン文化を目でも舌でも堪能できるレストラン「トゥルー ブルー キュイジーヌ」をご紹介します。
東西文化が融合した華麗なるプラナカンの世界
プラナカンとはマレー語で「この地で生まれた」という意味を持ち、15世紀頃から交易のために東南アジアにやってきた移民男性が現地の女性と結婚して生まれた子孫たちのことを指します。シンガポールのプラナカンの大半を占めるのが中華系プラナカン。彼らは中国、マレー、そして当時この地を統治していた西洋諸国の文化を融合させながら絢爛豪華な独自の文化を生み出してきました。
このプラナカン文化の代表ともいえる、自然をモチーフにした模様とパステルカラーが美しい陶器やタイル、精緻なビーズ刺繍の靴や雑貨、優雅な刺繍がほどこされた衣装などは旅行客から大変な人気を博していますが、手間暇をかけて作られる贅沢な食文化もプラナカンを語る上では外せません。
交易で栄えた土地だからこそ手に入る様々な食材やスパイスを使い、中国とマレーを融合させた調理法で丁寧に作られる料理の数々は、とても繊細で奥深い味わい。プラナカンの男性はババ、女性はニョニャと呼ばれるため、「ババニョニャ料理」「ニョニャ料理」とも呼ばれています。
プラナカンの粋な世界に触れられる「トゥルー ブルー キュイジーヌ」
プラナカンの文化も料理も一度に楽しめるとシンガポールで評判のレストランが、プラナカンのオーナーシェフ親子が手掛けるレストラン「トゥルー ブルー キュイジーヌ」。グルメ誌のベストレストランに何度も選ばれ、2016年にはじめて刊行された「ミシュラン シンガポール」では、コストパフォーマンスの高いレストランとして掲載されるビブグルマンを獲得しています。
特筆すべきは、その内装。店内に足を踏み入れると、入ってすぐには大きな祭壇が飾られた小部屋があり、そこから奥へと続く扉を開けると、吹き抜けのある広間、キッチンへ続くという、プラナカン建築の様式をそのままいかした造りとなっています。そこに、数々の調度品のコレクションや古い記念写真などが飾られ、まるでプラナカンの方のお宅に招待されたかのような気分にひたれるのです。
1階入り口付近と2階にはビーズ刺繍の靴や年代物の家具などで彩られたプライベートルームもあります。特に、入り口付近のプライベートルームは気軽にのぞけるので必見です。
なかなかお目にかかれない、個性あふれるプラナカン料理の数々
プラナカン文化に彩られた優雅な空間では、炭火を使って煮込んだり、石臼でスパイスを挽くなど、昔ながらの製法で作られた伝統の味を堪能できます。
中でも代表的な料理が、アヤムブアクルア。ブアクルアという実が入ったチキンの煮込みですが、手間暇をかけた独特な製法で知られています。毒抜きのために灰とバナナの葉と土を重ねたものにブアクルアの実を40日間埋め、殻の中身を取り出して秘伝のスパイスと一緒にすりつぶし、それを再び殻の中に戻すという、長い工程を経て作られる、プラナカン料理でしか食べられない珍味なのです。ブアクルアの実は濃厚な味わいで、一度食べたら病みつきになるという人が多数。
また、炭火で長時間煮込まれているチキンもほろりとほぐれるやわらかさで、こちらも絶品。ブアクルアの実は小さなティースプーンで中身をすくってそれだけで食べてもよし、チキンやソースとからめてごはんにかけていただいてもよし。いろんなおいしさを楽しめます。
プラナカン料理でもう一つ有名なのが、前菜としてお馴染みのクエパイティー。同店では、サクサクの薄い生地のカップの中に、カブ、人参、豆腐で作られた具を自分で盛りつけ、チリソースをかけて食べるスタイルで、すぐに食べるとクリスピー、時間をおくとしっとりと、いろいろな食感を楽しめます。こちらは日本人の口に合うやさしい味わいで、つい食べ過ぎてしまう逸品。
他にも代々受け継がれてきたプラナカン料理やデザートのメニューが充実。いろいろ注文してシェアして食べるのがおすすめですが、一人でお店を訪れる時などは、スープとその日のおすすめ料理2品、ごはん、デザートがセットになったランチ、ディナーのメニューもあります(※料理2品とごはんはワンプレートででてきます)。
アヤムブアクルア S$24
クエパイティー S$20
セットランチ S$32/セットディナー S$42
あわせて「プラナカンミュージアム」に立ち寄るのもおすすめ
「トゥルー ブルー キュイジーヌ」と同じ通りには、プラナカンの優美な生活様式を再現しながらその文化や歴史を分かりやすく紹介する「プラナカンミュージアム」があります。食事の前後に立ち寄ると、さらにプラナカンの世界を満喫できるのでおすすめです。美しい刺繍がほどこされた古い衣装や、ビーズ刺繍の小物、陶器などが展示されていて、見るだけでもうっとりできますよ。また、ミュージアムの外には「トゥルーブルーキュイジーヌ」の系列店でプラナカングッズをそろえるミュージアムショップがあり、おみやげ探しにも最適。
プラナカンと呼ばれる人たちが何代にもわたって築き上げた独自の華やかな食と文化を、おいしい料理を食べながら満喫できる「トゥルー ブルー キュイジーヌ」。旅の途中にぜひ訪れてみてはいかがでしょう。美術館や博物館が集まるシティーホールエリアに位置し、観光の合間に立ち寄るにも便利です。
トゥルーブルーキュイジーヌ
公式ウェブサイト(英語):http://www.truebluecuisine.com
住所:47/49 Armenian St.
電話:+65-6440-0449
営業時間:11:30-14:30 17:30-21:30 不定休
※予約がベター
プラナカンミュージアム
公式ウェブサイト(英語):http://peranakanmuseum.org.sg
住所:39 Armenian St.
電話:+65-6332-7591
営業時間:10:00-19:00 金10:00−21:00
入場料:大人S$10/学生・60歳以上S$6/6歳以下無料
※金曜日の19:00-21:00は入場料が半額になります。
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