投稿者 : 詩文 江藤、投稿日 2017 年 1月12日

アメリカが誇る絶景「グランドキャニオン」へ行く「グランドキャニオン鉄道」がおもしろすぎる!

大地の神秘を感じる雄大な景観が自慢のアメリカ・アリゾナ州は、国立公園の宝庫。なかでも“死ぬまでに一度は見たい絶景”といわれ、世界中から旅行者が集まる憧れの公園が「グランドキャニオン国立公園」です。推定500〜600万年という気の遠くなる年月をかけてコロラド川が浸食した赤い大地は、長さ446km・深さ1800mという壮大さ。まるで宇宙の惑星のように圧倒的なスケールのパノラマを満喫できます。

そんなグランドキャニオンへ行く場合、個人旅行ならレンタカー、ツアーならバスを使った一般的なものから、セスナやヘリでの遊覧飛行までさまざまな手段がありますが、移動の時間さえエンターテインメントになるのが「グランドキャニオン鉄道」でのアプローチ。エンタメ大国アメリカらしい、おもしろすぎる鉄道旅をご紹介します。

観光列車に乗って憧れのグランドキャニオンへ

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グランドキャニオン鉄道は、グランドキャニオン国立公園の観光の拠点となる街「ウイリアムス」と、いくつものビューポイントがあるグランドキャニオンの南側「サウスリム」とを結ぶ鉄道。通常スケジュールの場合、夏季はディーゼル機関車、冬季は蒸気機関車が客車を牽引し、片道2時間15分で1日2往復しています。

季節ごとに開催されるイベント列車を除くと、一般的な運行スケジュールは、第1便がウイリアムス9:30発サウスリム11:45着/サウスリム15:30発ウイリアムス17:45着、第2便はウイリアムス10:30発サウスリム12:45着/サウスリム16:30発ウイリアムス18:45着。

往路と復路を別々に手配できるので、多くの観光客はツアーバスや往路便などを利用してアクセスし、公園内にいくつかあるロッジやホテルに泊まったり、テントを持参してキャンプをしたりして公園内で数日から1週間ほど過ごし、復路便でウイリアムスに戻って来ます。

ファッションもかっこいい“カウボーイ”のおもてなし

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座席のカテゴリーは下から順に「コーチクラス」「ファーストクラス」「ドームクラス」「ラグジュアリードーム」「ラグジュアリーパーラー」の5種類。最上位の「ラグジュアリーパーラー」は最後尾に連結され、「ラグジュアリードーム」と「ラグジュアリーパーラー」のゲストはオープンエアのデッキを利用できます。「ファーストクラス」以上のカテゴリーはスナックとソフトドリンク付き。車内にはお菓子やドリンクを扱う売店が1カ所、カテゴリーごとにアルコールを販売するバーが設けられています。

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制服姿の老紳士の車掌がひとりとバーを担当する女性アテンダントが何名か乗務していますが、乗客を席まで案内するなど、お世話をしたり楽しませたりしてくれるのは主にカウボーイ姿のシニアたち。ちなみに彼らは自称「年季の入った本物のカウボーイ」で、カウボーイの仕事を息子に引き継ぎ、引退後の第二の職場として、またはカウボーイ仕事の合間の副業としてグランドキャニオン鉄道で働いているそう。運行のすべてを取り仕切るトレインマネージャーもカウボーイファッションを着用していました。

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これらは仕事用のユニフォームではなく、すべて私物とか。「古き良きアメリカ人としてのアイデンティティ」と、オフの日でもカウボーイファッションをまとう彼らの日常着だそうです。

出発地ウイリアムスのダウンタウンには、カウボーイアイテムを売っているショップが何軒もあるため、カウボーイハットやフリンジ付きのウェスタンシャツでカウボーイのコスプレをしたゲストもたくさん乗っていました。

エンターテイメント性抜群! 芸達者なカウボーイたち

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車内では、グランドキャニオン国立公園の見どころを解説してもらったり、ショートコントを見たりして過ごしますが、盛り上がるのはカウボーイの演奏に合わせた合唱タイム。乗客のリクエストにも応じてくれますが、よく歌われるのは「テイクミーホーム、カントリーロード」なので、これだけでも歌詞を覚えていくといいかも。日本の歌は「スキヤキ(上を向いて歩こう)」を知っていました。

さまざまな演し物のなかでも、乗客のテンションが最高潮に達したのが復路便のひとコマです。ここからはネタバレになるので、乗車予定がある方はここまでにしてください。

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さて、グランドキャニオン国立公園の大自然をたっぷり堪能した復路便。ビールやオリジナルカクテルで思い思いに喉を潤し、ほろ酔いになって車内の雰囲気がほぐれたころ。突然「緊急連絡、緊急連絡。近くに山賊が現れました。車窓を見張ってください」という車内アナウンスが流れました。窓の外ではスカーフで顔を覆ったカウボーイたちが、馬を全力疾走させています。

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「この列車はついに山賊に乗っ取られました。貴重品を“目立つところ”に隠してください。たとえば腕時計のベルトの下やソックスの中がよいでしょう」と、引き続き車内放送で指令がくださります。要は「チップをください」という大掛かりなプロモーションですが、乗客のノリがいいことといったら。「命だけは助けてください」と懇願してみたり、「妻を釣れてっていいから自分だけ助かりたい」と奥さんの後ろに逃げ込んだり、乗客を見ているだけでも笑えます。

クラシックカー好きにも魅力の「ルート66」のダウンタウン

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何はともあれ保安官が山賊を逮捕して茶番劇はおしまい。再び平和が戻ったことを祝って「ラグジュアリードーム」と「ラグジュアリーパーラー」の乗客には「シャンパントースト」としてスパークリングワインが振る舞われました。

アメリカのエンタメ精神を体験できる鉄道旅。出発地ウイリアムスには、駅に併設してグランドキャニオン鉄道が運営するホテル「グランドキャニオン レイルウェイホテル」があります。ホテルから徒歩5分のダウンタウンは、有名なアメリカ横断路「ルート66」上にあり、クラシックなアメ車が集まる街。また列車の出発前には、ホテルの敷地内でカウボーイショウも行われるので、グランドキャニオン鉄道に乗車するなら、前後に宿泊を組み合わせるのもおすすめです。

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グランドキャニオン鉄道
公式サイト(英語):https://www.thetrain.com

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協力:ブランドUSA、アメリカン航空