正式名称は広島平和都市記念碑。一般的には原爆死没者慰霊碑として知られています。シンプルなデザインながら、広島平和記念公園中で大きな存在感を示しています。アーチ型をした印象的なモニュメント。その下には原爆死没者名簿が収められています。名簿は関係者の申し出により毎年書き加えられ、今もその数を増やしています。
原爆死没者慰霊碑は戦後、二度と同じような悲劇が起きないよう、平和を祈る意味を込めて建設されました。建設されたのは、終戦から 7 年後の 1952 年。まだ、街の復興がほとんど進んでいない頃でした。爆心地近くに建設された記念建造物としては最初のものです。静かな公園の中心部へ行くと、そこには細長いコンクリートの池があります。その一端に平和の灯があり、反対側の端に原爆死没者慰霊碑があります。
背の高いコンクリートのアーチ型のデザインが印象的。公園の設計者でもある丹下健三氏が、名簿に書かれた死没者の魂を守るという意味を込めて、鞍の形にデザインしました。また、正面からアーチの中をのぞくと、その先に平和の灯と原爆ドームが見えるようにも設計されています。
慰霊碑には碑文も。そこには “安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから” と書かれています。死没者名簿には 30 万人を越える死没者の名前が登載されています。名前は関係者の申し出により、毎年定期的に追加され、その数を今も増やしています。慰霊碑には定期的に花輪が飾られ、毎年、原爆の日にはここで式典が行われます。
原爆死没者慰霊碑はいつでも無料で訪れることができます。広島平和記念公園を訪れると、二度とこのような悲劇があってはならないという、広島が送る平和のメッセージを肌で感じることができます。ここへ来たら、広島平和記念資料館、原爆の子の像、原爆ドームも合わせて見学しましょう。