嗇色園 (シクシクエン) とも呼ばれる黄大仙廟は、観光客はもちろん地元住民にも最も人気のある寺院の 1 つです。道教だけでなく仏教や儒教も称えた寺院であることから、単一宗教の寺院では味わえない、複数の宗教哲学が融合した魅力があります。それぞれの宗教の特徴を正確に見わけることができるよう、訪れる前に少し勉強するとより楽しめるかもしれません。
4 世紀、黄初平という名の僧侶がいました。50 代には仙人になり、さらに不老不死になると、黄大仙という名前を授かりました。それから 16 世紀後、道教徒が黄大仙の神聖な肖像画を香港に運び、保管するための寺院を建立したのが始まりです。他の参拝客に習い、お供えをしたり、聖なる導きを求めたり、自分の運命や運勢について占ったりしましょう。
九龍のにぎやかなエリアに位置する黄大仙廟はとても大きく、総面積は 18,000 ㎡ (200,000 平方フィート) もあり、3 つのアーチが特徴の正門の向こうには、 9 匹の龍の彫刻が施された九龍壁と、参拝客全員を受け入れるだけの広さの階段を持つ、立派な本堂が構えています。晴れた日には本堂の鮮やかな朱色が真っ青な空に映え、その光景を見ただけでも一日を元気にスタートできそうです。寺院の建物の至る所には風水の木、火、土、金、水の要素が取り入れられているので、注意して見てみましょう。
中でも必見なのは、従心苑です。ここには、鮮やかな緑の瓦屋根の下に穏やかな池が水をたたえ、その上に橋が架かり、まるで一枚の絵のように美しい光景が広がります。池では色とりどりの鯉が泳ぎ、カメが甲羅干しをしていることも。ここに来たら、「求籤」(カウ チム) と呼ばれる興味深い占いをぜひ試してみてください。やり方は、慣れている参拝客の真似をしましょう。まず、番号の書かれた竹棒の入った筒を持って、地面にひざまずきます。願い事をしながらその筒を上下に振ります。竹棒が 1 本飛び出してきたら、それを占い師のもとへ持っていき、意味を説明してもらいます。あとは、願いが叶うのを待つのみです。
黄大仙廟はビクトリア ハーバーの九龍側に位置し、尖沙咀 (チムサーチョイ) から 7 km (4 マイル) の場所にあります。MTR 荃湾線と観塘線を乗りついで黄大仙駅で下車し、広場を北に向かって横切ると到着します。通常、拝観時間は一般的な営業時間に準じますが、旧正月の間は延長されます。