混雑したフエの町を抜け出して、1700 年代の姿を留める伝統的な橋を見に出かけませんか。
フエの西に広がるのどかな田園風景の先に、運河の上で優雅な弧を描くタントアン橋があります。木造の屋根付きの橋には、日本と中国、両方の建築様式の影響が見られます。
タントアン橋は、18世紀、レー ヒエン トン帝の時代に建造されました。地元の人々によると、ある上級官吏の妻の要望により造られたそうです。近くの村で育ったその女性は、村には機能と美しさを兼ね備えた橋が必要だと考えたのです。その両方の特徴は、今日も健在です。
タントアン村の近くにある橋を見るには、フエから少しばかり足を伸ばす必要があります。タクシーを利用する方法もありますが、自転車をレンタルして、川沿いの道を景色を楽しみながらサイクリングして橋まで行くのも楽しいでしょう。
橋の近くまで行ったら、ゆるやかにカーブした橋の形状をご覧ください。角材によるアーチを使用して造られた、珍しいものです。中央をわずかにもち上がげた理由は、運河の川岸が低いこと。さもなくば、下を船が通り抜けることができないからでした。丸みを帯びた木製の入り口と、タイル張りの屋根が付いた橋は、なんとも珍しく魅力な光景。
歩いて渡れば、その丈夫さに感心させられます。橋が建造されてから、何度か洪水や嵐に見舞われ、修復工事が必要となりましたが、原初の木の構造の大半は今も失われずに残っています。
橋をよく見ると、控えめながら装飾がほどこされていることに気づくでしょう。両側にある入り口を彩るのは、中国風の木彫と色とりどりの陶器の飾り。
渡る際には途中で上を向いて、天井の内側を飾る陶製のモチーフを見ることもお忘れなく。龍、亀、一角獣、不死鳥を象徴するこれらのモチーフは、橋の全長 17 メートル (55 フィート) にわたり連なっています。
タントアン橋は、運河の両岸にまたがる Thuy Thanh 村にあります。フエから東に、約 7 km (4 マイル) 行った所です。交通手段は、タクシーまたは自転車となります。自転車なら、途中にあるパゴダや水田の景色も楽しめます。