臨済宗南禅寺派大本山の寺院である南禅寺は東山の麓に位置し、日本最初の勅願禅寺と、京都五山や鎌倉五山に比べても別格扱いの寺院として有名です。色とりどりの美しい木々に囲まれた南禅寺には、手入れの行き届いた日本庭園が複数あるほか、数々の国宝級の重要文化財が納められています。
南禅寺を訪れたら必ず目にするのが、 22m の高さを誇る南禅寺山門。別名「天下龍門」と呼ばれ、五鳳楼といわれる楼上から眺める京都の眺めは、石川五右衛門が歌舞伎で「絶景かな」と称したことでも有名。天井や柱、梁などには狩野探幽の筆による天人や鳳凰、虎が数多く描かれ、見事な異空間を創りだしています。また、南禅寺といえば、特に木々の色が鮮やかに変わる秋、紅葉の名所として人気が高く、数多くの観光客が足を運ぶことでも有名です。
「大方丈」と桃山時代の小書院を移した「小方丈」で構成され、国宝でもある、有名な方丈庭園もお見逃しなく。名勝に指定されている枯山水庭園は、白砂に6つの石を組んだ姿から、通称「虎の子渡しの庭」と呼ばれています。茶室から見えるのは、19 世紀後半に建設されたというレンガ造りの疎水橋、水路閣の見事な眺め。南禅寺の境内には、南禅院、金地院、ならびに天授庵などをふくめ、12 もの別院 / 塔頭があります。
南禅寺は、元々後嵯峨天皇が離宮として造営したとされる禅林寺殿を 13 世紀に入って亀山法皇が隠居の地として寺に改め、龍安山禅林禅寺と名づけたのが始まりとされています。南禅寺境内への入場は無料ですが、庭園、三門および南禅院などにはそれぞれ拝観料がかかります。また、年末の数日間は一般の拝観はできません。
南禅寺は京都市の北東部に位置しており、最寄りの地下鉄駅は京都市営地下鉄東西線の蹴上駅です。駅からは徒歩でほんの数分。最寄りのバス停は京都市営バスの「南禅寺・永観堂道」バス停です。地下鉄、バスどちらも京都駅からアクセス可能。周辺の観光スポットとしては、哲学の道、金地院、および岡崎公園などがあります。