フェニックスにある楽器博物館 (MIM) では、世界中から集められた楽器を見るだけでなく演奏することもできます。広々とした展示ホールには1 万 5 千点近くの楽器や工芸品が所せましと展示され、ワークショップも開催されます。レコーディング スタジオ、保存研究室、劇場、AV 機器などの設備が整い、にぎやかで明るい博物館です。
楽器博物館の創設者は、世界の楽器と音楽を同じだけ表現する文化芸術施設を造りたいと夢見ていました。その夢が実現したのは 2010 年のこと。約 1 万 8 千平方メートルの広大な近代的建物の中に、世界最大の楽器コレクションが並びます。
おすすめは、ジオグラフィカル ギャラリー (地域のギャラリー)。5 つの地域に分かれ、世界中の伝統音楽を取り上げています。中には数百年前のハープや太鼓もあり、弦楽器のアパラチアン ダルシマーや台湾の鼻笛など、めずらしい楽器が展示されています。
ビデオやヘッドホンが用意されているので、作られた文化の中で楽器がどうやって演奏されるのか、自分の目と耳で確認することができます。楽器のことがわかると、楽器に触ったことがない人でも音を奏でてみたくなるもの。ぜひ、アジアの銅鑼 (どら) を鳴らしたり、ビルマ ハープを弾いたり、アンデスのパン パイプを吹いたりしてみてください。
楽器の演奏を楽しんだら、今度はワークショップへ。楽器がどうやってさまざまな音を生み出すのか学ぶことができます。木材やウシのぼうこう、動物の骨などの材料を掘ったり、弦を張ったりして楽器を作る様子を見学しましょう。
アーティスト ギャラリーも見逃せません。 音楽の革新者や世界的に有名なポップ ミュージシャンをたたえるギャラリーです。ジョン・レノンが名曲「イマジン」を作曲したスタインウェイ ピアノやエルビス・プレスリーの楽器、1960 年代のエリック・クラプトンのギターなどは、ファンならずとも必見の品々。
敷地内に建つ MIM ミュージック シアターでは夜になると映画やパフォーマンスが上演されるので、ぜひ足を運んでみてください。ただし、楽器博物館は夜の営業はしていませんので、ご注意ください。楽器博物館は郊外にあるので、往復時間は少し多めに考えておきましょう。入館料には無線ヘッドホンのレンタル料金が含まれます。お子さまは割り引き価格が適用されます。