チニ カ ローザは、あまり知られていない静かな霊廟。タージ マハル周辺の喧騒から一息つくには最適なスポットです。時代に取り残され廃墟のようになっていますが、ペルシア様式の建造物の美しさは今も健在。建設当時の壮麗さがそこかしこに見られます。ここは詩人アフザル カーンが眠る場所。色鮮やかな彩釉タイル装飾の名残が目を引きます。
この霊廟は、学者で詩人のアフザル カーンの墓として 1630 年代に建設されました。カーンは、タージ マハルの建設で知られる皇帝シャー ジャハーンの側近でもあった人物です。建築様式は、カーンの出自を反映させたペルシア様式。この地域の霊廟建築としては一際目を引く存在です。建物を飾る美しいタイル装飾は必見。このタイル装飾は "チニ" と呼ばれ、霊廟の名前の由来ともなっています。
建物を近くで見ると、かつての美しい外壁が老朽化してしまっているのがわかります。それでも、よく見てみると当時の壮麗な姿の名残が見られます。ほとんどぼやけた茶色のように見えるファサードにも、ところどころ鮮やかなタイルが残っているのがわかるでしょう。わずかに残るターコイズ、青、黄色の美しい文様から、かつては外壁全体を覆っていた色鮮やかなタイル装飾が目に浮かぶようです。
でも、チニ カ ローザの本当の見どころは、建物内部にあります。霊廟の中に入ると、内部を飾る複雑な文様のタイル装飾に目を奪われるでしょう。絵画やコーランの文言なども印象的。訪問時間は夕方がおすすめ。美しい夕日の中、のんびりと見学しましょう。この辺りはヤムナ川を望む穏やかな地域。夜へと移りゆく静かな時間を過ごすことができます。
チニ カ ローザは、ヤムナ川の東岸に位置し、有名なタージ マハルからは車で 20 分の場所。タージ マハル とチニ カ ローザの間は、リキシャかオートリキシャで移動しましょう。チニ カ ローザは日の出から日没までオープンしています。