中世の宮廷やおとぎ話の宮殿を思わせるベルヴェデーレ城は、マンハッタンの高層ビルの谷間で異彩を放っています。このドラマチックな建物の前に広がる池は、夏には緑が生い茂り、冬には氷が張ります。ベルヴェデーレはイタリア語で「素晴らしい眺め」という意味。なぜこの名前が付いたのかは城へ行けばわかります。
ゴシック様式とロマネスク様式が融合したベルヴェデーレ城は、もともとはビクトリア様式の観光客向けの施設として建てられました。そして、1919 年頃からは、降水量や風向きなどの気象観測所として利用されるようになりました。天気予報でセントラル パークの気温が表示されたら、おそらくここで観測されたものです。昼下がりの散策にはぴったりの場所です。
片岩と花崗岩の外壁をぐるっと見て回り、塔を背景に写真を撮りましょう。ベルヴェデーレ城が立っているのは、ビスタ ロックと呼ばれる岩の上。セントラル パーク内で人工的な施設を除いてここより高い場所はほとんどありません。岩の階段を昇って城の上へ。マンハッタンの摩天楼を一望できる絶景を堪能しましょう。
登る途中にあるヘンリー ルース ネイチャー オブザバトリーにもぜひ立ち寄って。自然界や動物の骨格の研究に使用する器具など、自然史に関する展示があります。また、2 階には、セントラル パーク内で確認された鳥類の張り子のレプリカが展示されています。
この城からはバードウォッチングも楽しめます。小型のハヤブサやタカなどの猛禽類の姿を見つけられることも。オブザバトリーでは、双眼鏡や地図の入ったバッグを貸し出しているので、公園内で野生動物の観察に出かけみるのも良いでしょう。
ベルヴェデーレ城は 79 丁目横断道路沿いに位置。79 丁目から車でセントラル パークの中心部まで乗り入れることもできるし、もちろん徒歩で行くこともできます。イースト サイドから向かうには地下鉄の 86 丁目駅で、ウェスト サイドからは地下鉄の 81 丁目駅で下車します。
ベルヴェデーレ城は、月曜日以外は毎日開館しており、入場は無料です。