壮麗な福建会館 (アセンブリー ホール オブ ザ フーチエン チャイニーズ コングリゲーション) は、ホイアンに 5 か所残る華僑の会館中、最大の規模を誇ります。もともとは福建地方出身の移民が親睦を深め商いを行う場所として設けられましたが、後に福建地方で信仰されている海の女神「天后聖母」(ティエン ハウ) をまつる寺院に転用されました。現在では年間を通じこの寺院で天后 = 媽祖の生誕祭など、重要祭事が催され、魅力的な文化に触れられる見どころとして人気を集めています。
3 つの門口を持つ装飾的なデザインの石門を通って会館内に入りましょう。門の中には中庭があり、彫像、鑑賞植物、龍をあしらった噴水で飾られています。会館内を散策しながら注意して見ると、壁画や彫刻をはじめとする建築装飾のテーマに動物が目立ちます。これらの動物には、それぞれ特別な寓意 (ぐうい) が込められており、たとえば、龍は力、ウミガメは長寿の象徴です。
壁面の絵や壁画は、福建省の神話や歴史の逸話を表しています。建物の豊かな色使い、装飾的モチーフ、彫刻にご注目ください。
この会館で一番大きいメイン ホールに入り、瞑想する天后聖母の像のそばまで進み、天后の左右に付き従う神の像をご覧ください。この 2 神は、千里先の物を見る千里眼と千里先の音を聞く順風耳です。豊穣の女神や、12 人の女性の像をご覧ください。この 12 体は、新生児に食べる力、笑う力などを授けると言われる産婆たちです。ここは子どものいない夫婦が大勢訪れ、新鮮な果物を供えていく、子宝祈願の名所です。
福建会館内にはこのほか、17 世紀後半にこの会館を建てた福建出身の 6 家族の家長の像も据えられています。この 6 家族は、明王朝滅亡後に難民となり、このホイアンにたどり着きました。
福建会館は歴史の深いホイアン旧市街にあり、近くにはホイアン華僑の別の会館もあります。福建会館は入場無料、年中無休で朝から夕方まで見学できます。