建築物としても魅力のあるナショナル ウォー メモリアル。戦争と、オーストラリアの軍事の歴史についてさまざまなことを教えてくれます。ここを訪れて、国を守るために命を犠牲にした人々のことを静かに考えてみましょう。
ナショナル ウォー メモリアルは、街中心部の公園が多い地区にあり、巨大なアーチが一際目立ちます。花崗岩でできた階段を上り、羽を持つ女性像を鑑賞してみましょう。白い大理石がその美しさをさらに引き立てています。また、その周りを囲むグレーの大理石でできたアーチからは力強さを感じられます。
モニュメントを両方向から見てみましょう。通り側から見ると、若い女性、学者、農夫の 3 人の銅像が取り巻き、"義務の精神" が表現されています。これは、戦争の始まりを象徴しています。反対側はどうでしょう。羽の付いた人物が命を落とした兵士をかついでいます。これは、戦争直後の状況を表しています。下を見ると、銅製のライオンの口から水が流れています。
モニュメントには、彫刻の意味などを伝えるため、詩のような文章が刻印されています。また、モニュメントの内部には小さな部屋があり、そこには聖堂があったり、重要な記録が保管されていたりします。
このモニュメントには面白い歴史があります。名称はナショナル ウォー メモリアルですが、戦争で命を落とした全オーストラリア人を称えています。称えるのは南オーストラリアの犠牲者だけではありません。国全体が被った戦争被害の悲惨さを伝えるため、このようなモニュメントを最初に作ろうとしたのが、南オーストラリア州だったのです。最終的な設計が決まるまでに 2 回も建築コンペが行われました。1931 年、遂に除幕式。第二次世界大戦が始まるたった 8 年前のことでした。
ナショナル ウォー メモリアルの近辺には、もっと小さなモニュメントもいくつかあります。第一次世界大戦後に起きたさまざまな紛争を記念したものです。ナショナル ウォー メモリアルはアデレードの中心部。アデレード大学や南オーストラリア博物館、ガバメント ハウス グラウンズ、活気あるノース テラスにもほど近い場所にあります。